アマゾン(ティッカーシンボル:AMZN)、メタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック、META)、グーグル(親会社アルファベット、GOOGL)が、米国のクリーン電力購入量で上位3社となった(*1)。米クリーン電力協会(ACP)が1月18日に公表した最新のレポートで明らかにした。
アマゾンは22年9月までに米国で12.4ギガワット(GW)の太陽光・風力発電を購入した。メタおよびグーグルはそれぞれ8.7GW、6.2GWとなる。3社がクリーン電力の購入を公表してからの過去10年間において、その合計購入量は最大になる。テクノロジー業界は他の業界を大きく上回るペースでクリーン電力を購入している。12年から22年までに、テック業界の風力・太陽光発電の購入量は年間平均73%増となる。15年に1GWを超え、18年には8GWに達し、22年には約20GWを購入した。その間に、風力および太陽光発電コストはそれぞれ47%、71%下落している。
テクノロジー業界はクリーン電力の購入契約量全体の48%を占め、他の業界をリードする。それに続くのはエネルギー(9%)、通信(8%)、食品・飲料(7%)だ。22年末までに合計326社が77.4GWの風力・太陽光発電を購入しており、これは1,000ヵ所超のデータセンターもしくは米国の1,800万世帯の電力を賄うのに十分なエネルギーとなる。77.4GWのうち、36GW(47%)分に関しては発電所が稼働している。残りの半分以上は未だ開発中であり、クリーン電力調達プロジェクトが向こう3年で開始される見込みである。各企業は49州、ワシントンDC、プエルトリコで実施される540プロジェクトからクリーン電力を購入しており、契約量の35%はテキサス州となる。
世界的に大きな影響力を誇るアマゾン、フェイスブック、グーグルは、グローバル課題となる気候変動対策への取り組みを積極化させている。たとえば、アマゾンは22年8月、米燃料電池システム開発プラグ・パワー(PLUG)と25年より年間10,950トンのグリーン水素を調達する契約を締結した(*2)。アマゾンは40年までにネットゼロエミッション(温室効果ガス(GHG)の排出量を実質ゼロにする)の達成を目指すなか、グリーン水素を輸送および施設業務に活用する方針だ。グーグルは22年11月、英国とスペインで風力および太陽光発電の電力購入契約(PPA)を締結した(*3)。これにより、両国のクラウドリージョンとオフィスは25年には90%のカーボンフリーエネルギー(CFE)、またはそれに近い水準で運用される見通しだ。
【参照記事】*1 米クリーン電力協会「NEW REPORT:Corporations Purchased More U.S. Clean Energy in 2022 Than Ever Before」
【関連記事】*2 アマゾン、25年よりグリーン水素を年1万トン調達へ。プラグ・パワーから
【参照記事】*3 グーグル「A year of clean energy momentum in Europe」
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