米暗号資産メディアThe Blockが、6月に入ってからイーサリアムのガス代(取引手数料)が下落している要因について解説した。いくつかの興味深いデータが公開されている。
イーサリアムのガス代は、過去1ヶ月間で90%もの大幅な下落を記録した。The Blockのデータによると、5月には平均45ドルだったガス代が6月には4.5ドルになっているという。1ヶ月前には過去最高値を記録していた状況から一転、記録的な下落幅となった。
要因としては、主に次の3つがあげられるという。
- イーサリアム全体のトランザクション数の減少
- 中でもDeFiとNFTによるトランザクション数の減少が顕著
- セカンドレイヤーソリューションの台頭、特にPolygon上でのトランザクション数が急増
イーサリアム全体のトランザクション数は、ここ数週間で165万件から120万件に減少している。背景には、暗号資産市場の縮小があげられるだろう。加えて、DeFiとNFTによるトランザクション数も減少した。
中でも注目すべきは、セカンドレイヤーの台頭だ。特にPolygon上でのトランザクション数が急増しているという。Polygonでは、1日あたり約750万件ものトランザクションが処理されており、以前の150万件から5倍に成長している。
Polygonには、既に350以上のDeFiプロジェクトが存在しているという。セカンドレイヤーを活用することで、イーサリアムのスケーラビリティ問題を解消することができ、結果的にガス代の影響を受けなくて済むのだ。
一般的に、PoWはPoSと比較して処理性能に劣っている。PolygonがPoSであるのに対して現在のイーサリアムはPoWであることも、ガス代の高騰を引き起こしていた原因だと言えるだろう。
The Blockは、Polygonの他にもOptimistic Rollupsなど多くのセカンドレイヤーソリューションの開発が進んでいるため、ガス代は引き続き下落傾向にあるだろうと言及した。
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