米テスラが総額15億ドルをビットコインに投資していたことが、2月9日に明らかとなった。証券取引委員会(SEC)に提出された2020年の年次報告書に記載されている。
今回の発表を受け、ビットコイン価格は史上最高値を更新。一時、約500万円にまで急騰している。この影響から、大手取引所BinanceやKrakenをはじめとする各国の取引所では相次いでサーバダウンが発生。影響力の高さを示す結果となった。
年次報告書によると、テスラは企業資産を分散させるためにビットコインに投資したとしている。それだけでなく、将来的には自社製品の購入にビットコイン決済を導入する可能性も示唆した。
テスラは、デジタル資産やゴールド、ゴールド取引所の上場投資信託などに資金を投入できるよう、2021年1月に会社の投資方針を変更していた。今後も長期的にビットコインを含むデジタル資産の取得を行うという。
2020年より大企業のビットコイン大量購入が続いているが、今回の15億ドル分の購入に伴いテスラがビットコインを保有する上場企業ランキングでトップに躍り出た。
暗号資産関連データ分析サイトCoinGeckoによると、ビットコインを保有する上場企業は計19社あるといい、ビットコインの総供給量のうち0.56%を占める10万4,530BTCが取得されている。米ドル換算では約50億ドルに迫る金額となっているものの、これでも1%には満たない数字となった。
なお、テスラがビットコインを購入する際に使用した窓口は、IPOを控える米大手取引所CoinbaseのOTCデスクだという。
参照:CoinGecko “Bitcoin Holdings by Public Companies”
米通貨監督庁(OCC)で長官代理を務めていたBrian Brooks氏は、新型コロナウイルスの影響で25%以上のマネーサプライが米国に投入されたと言及。この資金の一部がビットコイン市場に流入したことで価格が高騰しているとした。
テスラ株の価格については、今回の発表に対してそこまで目立った動きは見られていない。一部でテスラに投資していた投資家たちは間接的にビットコインへ投資していたことになっているとの意見も見受けられるものの、市場は今回の動きをネガティヴには受け取っていないようだ。
【参照記事】TESLA, INC. ANNUAL REPORT ON FORM 10-K FOR THE YEAR ENDED DECEMBER 31, 2020
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