米証券取引委員会(SEC)委員長のゲンスラー氏が、暗号資産取引所でも証券取引所としてSECに届出を提出する必要があるとの見解を示した。9月14日に上院の公聴会で言及している。
ゲンスラー氏は公聴会で、「Coinbaseのような暗号資産取引所でも、中には有価証券に該当する可能性のある資産を取り扱っているため、その場合は証券取引所としての登録が必要になるだろう」と述べた。
現状、SECが明確に有価証券に該当しないと言及しているのはビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)のみだ。それ以外の暗号資産は有価証券に該当する可能性があるため、それらを取り扱うには証券取引所としての認可が必要になるという。
ゲンスラー氏によると、暗号資産に関する規制課題として浮き彫りになっているのは次のような領域になるという。
- 暗号資産の発行および販売
- 暗号資産レンディングサービス
- 暗号資産取引およびカストディサービス
- ステーブルコイン
- 暗号資産へのエクスポージャーを提供する投資商品
8日には、Coinbaseが提供予定の暗号資産レンディングサービスに対して、証券法に違反する可能性があるとして、SECが提訴する方針であることが報じられていた。ビットコインとイーサリアム以外の暗号資産は有価証券とみなされる可能性があるとした上で、それらをレンディングサービスとして取り扱う場合には、SECへの届出が必要になるとの見解だ。
ゲンスラー氏は、レンディングサービス以外にステーキング代行サービスにも言及している。ゲンスラー氏によると、現状のステーキングサービスは、ユーザーがステークする資産を自由に扱うことができず、実際にはカウンターパーティリスクのみを負っているという。
また公聴会では、暗号資産懐疑派のエリザベス・ウォーレン議員により、暗号資産取引所で発生する障害が指摘された。暗号資産価格が急落した際に、Coinbaseが一時的にシステムダウンしたことを問題視し、SECからの監督要請を求めた。これに対してゲンスラー氏は、SECに暗号資産取引所を監督する権限はないとしつつも、SECの権利拡大を求める声明を出している。
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