SBIホールディングスと三井住友フィナンシャルグループと共同で、デジタル証券を取り扱うための私設取引所を開設することが報じられた。1月28日に日本経済新聞が明らかにしている。
2022年春の開設を目指すという私設取引所は、SBIが6割、三井住友が4割を出資して設立されるという。拠点は大阪、運営会社名は大阪デジタルエクスチェンジだ。
現状、日本国内の私設取引所はシェアが全体の約8%となっており、東京証券取引所による事実上の独占状態にある。2020年10月に発生した東証のシステム障害を受けて、集権体制に変化の兆しが出ている。
今回新たに開設される予定の私設取引所では、東証のシステムを使わずに稼働させる方針だ。東証の営業時間外に稼働させることで、投資家の使い勝手を高める戦略を検討しているという。
2023年には、ブロックチェーン上に発行されるデジタル証券「セキュリティトークン(Security Token)」の取り扱いも視野に入れている。既存の有価証券よりも小口で発行することができるため、少額投資が可能になる点が特徴だ。
SBIホールディングスは、2020年10月に国内初のSTO(Security Token Offering)を実施していた。具体的には、子会社のSBI e-SportsがSTOを行い親会社のSBIホールディングスが引受先となっている。
これは、5,000万円の資金調達を普通株1,000株で発行するスキームとなっており、発行・管理・移転・権利更新を野村ホールディングス傘下のBOOSTRYが運営する「ibet」で行う。このBOOSTRYには、SBIホールディングスも10%を出資している。SBIは自らSTOを実施するだけでなく、STOを実施するための環境整備にも積極的に乗り出している格好だ。
2020年5月に改正金融商品取引法が施行されて以降、日本でも正式にセキュリティトークンを使った事業を開始することができるようになっている。SBIホールディングス代表の北尾氏は、金融庁認定の金融商品取引業協会として指定された日本STO協会で会長を務める人物である。国内初のSTOをSBIが実施したのも頷けるだろう。
【参照記事】SBIと三井住友FGが株の私設取引所 22年春にも開設
株式会社techtec リサーチチーム
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