イーサリアム(ETH)のレイヤー2ソリューション「Polygon」は10月21日、重大な脆弱性を報告したホワイトハッカーに約2.3億円の報奨金を支払うことを発表した。
今回発見された脆弱性により、約960億円のユーザー資金が流出する危険性があったという。しかし、ホワイトハッカーであるGerhard Wagner氏の報告によってバグは速やかに修正され、ユーザーの資金が失われることはなかったようだ。
脆弱性が発見されたのは、Polygonが提供するブリッジのひとつであるPlasma Bridgeのプログラムである。ブリッジとは、暗号資産やNFTなどの異なるネットワーク間移動を可能にするものであり、Plasma BridgeはイーサリアムとPolygonの間で資産を移動させることを可能にする。
Polygonは潜在的なセキュリティ上の欠陥を排除するために、9月にImmunefiで報奨金プログラムを開始した。このプログラムは、Polygonのスマートコントラクトや分散型アプリケーション(DApps)の潜在的な脆弱性を発見して報告してもらうというものだ。
報奨金は1000ドルから200万ドルとなっており、今回はその最大の金額がWagner氏に支払われる。Polygonの報奨金プログラムとセキュリティのプラットフォームであるImmunefiによると、この報奨金は分散型金融(DeFi)に関するものとしては過去最高額となるようだ。
2021年に入り、Polygon上ではDAppsが急速に増加している。ブロックチェーン開発プラットフォームのAlchemyが10月20日に発表したレポートによると、Polygon上で稼働しているDAppsの数は、昨年時点で30だったが現在は3,000を超えるという。また、Polygon上で開発を進めるチーム数は前月比で60%以上増加しているようだ。
Polygonのようなレイヤー2ソリューションでは、イーサリアムで同時に展開されるプロジェクトが多い。しかし、Polygonのみに展開されているDAppsは62%に達していることから、Polygonの独立性が高まっているといえる。
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