PayPalが暗号資産取引サービスをイギリスに拡大、CBDCへの本格参入も

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米決済プラットフォーム大手PayPalが、現在提供中の暗号資産事業をイギリスに拡大する計画を立てていることが明らかとなった。2月11日に開催された投資家向けイベントの中で説明されている。

PayPalは、2020年10月より暗号資産市場に本格参入を果たし、PayPal内での暗号資産取引サービスなどを提供していた。現在はニューヨーク州の規制当局より取得した条件付きのライセンスを元に、米国内に限定して事業を展開している。

今回明らかとなった計画は、PayPalとしては初めての国外における暗号資産関連サービスの提供となり、数ヶ月以内にイギリスを対象に開始するという。米国で取得したライセンスをイギリスでも取得する流れになるだろう。2021年内には、決済サービスVenmoにも事業を拡大する予定となっているが、こちらも順調に対応を進めているとした。

イギリスへの事業展開は、PayPalで暗号資産取引が活発に行われていることの表れだ。2月3日に公開された通期決算レポートでは、暗号資産を購入しているユーザーとそうではないユーザーとで、利用頻度に2倍もの差が出ていると説明していた。

PayPalによれば、暗号資産市場への参入により新規アカウントを約1,600万獲得し、約2,770億ドルに及ぶ決済を処理したという。

今回の発表と合わせて、中央銀行デジタル通貨(CBDC)への取り組み計画も明らかとなっている。PayPalは、自社のデジタルウォレットがCBDCを流通させる際の手段になるとし、そのための開発に力を入れていくと説明した。

CEOのDan Schulman氏は、「CBDCは、現在の決済システムを再定義するための数十年に一度のチャンスであり、我々にとっても非常に大きなチャレンジになるでしょう。」と言及している。

Schulman氏は、スマートコントラクトとトークン化の仕組みを使用することで、様々な資産のデジタル化を実現するための取り組みにも興味を示していることも明らかにした。

これは金融業界のアップデートであり、セキュリティトークンや分散型金融(DeFi)といった新たな産業への参入を示唆しているといえる。

【参照記事】PayPal Holdings, Inc. – PayPal’s 2021 Investor Day

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株式会社techtec リサーチチーム

「学習するほどトークンがもらえる」ブロックチェーンのオンライン学習サービス「PoL(ポル) 」を運営。日本発のブロックチェーンリーディングカンパニーとして、世界中の著名プロジェクトとパートナーシップを締結し、海外動向のリサーチ事業も展開している。Twitter:@PoL_techtec