米半導体メーカー大手のNVIDIAが、イーサリアム専用マイニングプロセッサのリリースを2月18日に発表した。グラフィック処理を行わないことでマイニング中のエアフローが改善され、マイニング効率を高めることができるという。
NVIDIAは、GPUの開発に強みを持つ半導体メーカーであり、GeForceやQuadroといった製品が有名だ。暗号資産価格の高騰を受け、新規発行報酬を受け取ることができるイーサリアムのマイニング事業を拡大する。
CMP(Cryptocurrency Mining Processor)と呼ばれる新製品では、ピークコア電圧と周波数が低いため、マイニングの電力効率を向上させることができるという。主にプロのマイナーに向けた設計となっており、ASUSやEVGA、Gigabyteといった認定パートナーからのみ買い付けることができるとしている。
CMPでは特にマイニングに必要な計算処理性能を高めることで、既存製品がマイニングに使われる機会を減らす狙いもあるようだ。背景には、暗号資産マイニングに同社製品が多く使われていることから、eスポーツなどのゲーマーへの供給が不足している事情があるという。
先述の通り、CMPではグラフィック処理を行わないことでゲーマーには使われない一方、マイニングに必要な機能に特化することで、マイナーが既存製品から買い替えを行うと予想している。
既存製品をゲーマーへ、新製品をマイナーへ供給することで半導体事業全体の拡大が期待できると説明した。
一方で、現状のイーサリアムでは「イーサリアム2.0」と呼ばれる大型のアップデートが進められている。これは、コンセンサスアルゴリズムをプルーフオブワーク(PoW)からプルーフオブステーク(PoS)へ移行するためのものだ。
PoSヘ移行することでマイナーによるマイニングが行われなくなり、代わりにバリデータによるステーキングが行われることになる。そのため、将来的にはマイニング専用の機器は全て使われなくなる可能性が高い。
これには当然CMPも含まれるため、この取り組みには賛否両論の意見が寄せられている。
【関連記事】イーサリアムとは?特徴・仕組み・購入方法
【参照記事】GeForce Is Made for Gaming, CMP Is Made to Mine | The Official NVIDIA Blog
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