天然資源管理のためのDAOフレームワークterra0が、地球の気温に連動したNFTを5月27日に発行した。このNFTは、地球の気温が2℃上昇すると自動的にバーン(焼却)される仕組みだという。
「Two Degrees」と題したこのNFTは、バーンの仕組みを取り入れた20秒の動画コンテンツだ。イーサリアムのERC-721を使って発行され、NASAの地球環境データをオラクルとして使用している。
NASAの提供する地球の気温が2℃上昇した場合、このNFTは所有者の意思とは関係なく自動的にバーンされる仕組みだという。地球環境に配慮した取り組みを行おうというメッセージを込めたNFTだ。
Two Degreesは、老舗オークションハウスのサザビーズで6月10日まで競売にかけられている。「地球の気候変動に伴い自然が破壊されていくのと同様、Two Degreesも消えてしまう。」との説明書きが記載されている。
terra0によると、過去30年間の歴史的な温暖化傾向が続く場合、2062年までに地球の気温が2℃上昇するという。すると、NFTのスマートコントラクトによりTwo Degreesもバーンされることになる。terra0はこれを「消滅に対するヘッジ」と表現した。
一見すると、NFTをバーンすることは自然破壊が進む地球にとってネガティブなメッセージとも取れてしまうものの、地球環境の悪化が進むにつれてNFTをバーンすることで資産が消滅するため、これは環境保護のためのインセンティブとして働くと考えられる。
外部のオラクル情報に連動する形でスマートコントラクトが自動実行を行うことができるという点では、今回のNFTはブロックチェーンならではのものだと言えそうだ。
昨今は、ビットコインをはじめとするプルーフオブワーク(PoW)系のブロックチェーンに必要なマイニングが、環境に負荷を与えすぎているという指摘が増えてきた。そのため、イーサリアムはイーサリアム2.0によってプルーフオブステーク(PoS)への移行を進めており、移行後には99.95%もの電力を削減できるとの見立ても出ている。
【参照記事】Two Degrees NFT. A conceptual and technical writeup of… | by terra0 | May, 2021
株式会社techtec リサーチチーム
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