グローバル金融などで実績を持つ3人のゼネラル・パートナーによるESG重視型グローバル・ベンチャーキャピタル・ファンド「MPower Partners Fund L.P.(Mパワー・パートナーズ・ファンド)」が設立された。社会的課題をテクノロジーの力で解決しようとする起業家を支援し、ESG(環境、社会、ガバナンス)を戦略に組み入れることで持続的な成長を促すことを目的とする。5月31日の発表で、ファンド総額は1億5000万ドル(約165億円)を予定している。
設立メンバーは、ゴールドマン・サックス証券会社元日本副会長およびチーフ日本株ストラテジストのキャシー松井氏、OECD(経済協力開発機構)東京センター元所長の村上由美子氏、クレイ・フィンレイ投資顧問元東京支店長の関美和氏がゼネラル・パートナー、グローバルVCフレスコ・キャピタルのゼネラル・パートナー鈴木絵里子氏がマネージング・ディレクターとして名を連ねる。全員、金融業界で長くESGの研究と促進に注力し、様々な立場でダイバーシティー、環境、コーポレートガバナンスの重要性について、民間企業や政府に対してアドバイスを行なってきた。
ESG重視型のベンチャーキャピタルファンドは日本で初めてという。「スタートアップが持続的に成長し、世界にインパクトを与える規模に拡大するためにはESGを成長戦略の一部として組み入れることが不可欠。また、成長性のあるスタートアップにESGを実装することが、金融市場、ひいては社会全体の健全な未来をもたらす」とチームは説明する。
ヘルスケア/ウェルネス、フィンテック、次世代の働き方/教育、次世代の消費、環境/サステナビリティを重点投資分野とし、成長ステージにある日本のスタートアップ企業、一部海外のアーリーステージのスタートアップ企業に投資を行う予定だ。「起業家、投資家と共に、スタートアップエコシステムにESGの要素を浸透させ、持続的な社会の成長を実現すべく努力していく」としている。
同ファンドには、同日までにSOMPOホールディングス株式会社、第一生命保険株式会社、三井住友トラスト・ホールディングス株式会社をはじめ、海外投資家を含む数々の投資家がリミテッド・パートナーとして参画した。

HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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