ビットコインの平均トランザクション手数料が過去最低水準を推移している。ブロックチェーンのデータ分析サイトBitInfoChartsによると、ビットコイン価格の下落に伴い5月末にはトランザクション手数料が平均0.0002BTC(約700円)になっているという。
ビットコインのトランザクション手数料は、マイナーの処理供給量をトランザクション需要が上回ることで上昇する。これは、ブロックチェーンのスケーラビリティ問題が関係しており、需要が高まるとトランザクション詰まりが発生することに起因する。
トランザクション手数料は送金者が自由に設定できるため、トランザクションが詰まっている時は手数料を高く設定することで優先的に処理してもらうことが可能だ。そのため、トランザクション需要が高まりマイナーの処理供給量を上回ると、自然と手数料は増加していく。
4月21日には、ビットコイン価格の高騰に伴い平均トランザクション手数料が62.8ドルの過去最高値を記録した。5月に入り価格が急落するとトランザクション需要が落ち込み、手数料も下落する流れとなっている。
5月には、中国政府による国内でのマイニング規制の強化方針が明らかとなり、マイニング事業者の撤退などが相次いで報道された。これに伴い、マイニング難易度を示すディフィカルティも下落。2021年で最大の16%低下している。
マイナーが市場から撤退することで競争が軟化し、マイニングに成功しやすくなることからディフィカルティは低下する傾向にある。ディフィカルティが低下することでマイニングをしやすくなるため、マイナーは低い手数料が設定されたトランザクションでも処理しようと考えるようになる。このような循環が発生し、トランザクション手数料は次第に下落していくのが自然な動きだ。
トランザクション手数料が下落する一方で、米暗号資産メディアThe Blockのデータによると、5月には暗号資産取引所全体の取引高が過去最高となる2兆ドル超を記録したという。
そのうち1兆5,000億ドルはBinanceが占めており、そのほとんどは暗号資産同士の交換になるとのことだ。法定通貨と暗号資産の交換はCoinbaseが最も多くの出来高を有しており、その額は1,980億ドルに及ぶという。
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