2021.6.3 仮想通貨マーケットレポート【方向感のないビットコイン】

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昨日のビットコイン相場は上昇。朝方は36,000ドル台で推移していたビットコインだが、ジリジリと下値を切り上げながら緩やかな上昇を続け、一時38,000ドル付近まで到達。しかし取引高も膨らまない中、上昇圧力の弱い状況が継続しており、40,000ドルを突破できるかにフォーカスしておくべきか。

一方でサポートラインも切り上がってきており、36,000ドル台半ばのサポートを割れてくると34,000ドルや30,000ドルが視野に入ってくるため注意。

フローとしては仮想通貨ファンドへの資金流入が久しぶりにプラスに転じており、少しずつ落ち着きを取り戻していることや、大手銀行のスタンダートチャータード銀行が仮想通貨市場に参入するということ、Googleで仮想通貨の広告の宣伝が可能になる等、仮想通貨市場にいいニュースが多く出ている日となった。

米国市場は大きな変動なく推移。米国債10年金利も1.58%まで3bpほど低下、ドル円は109円台後半で揉み合っており大きな変動なく推移。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁がテーパリングについて議論を考える必要性があるというコメントを出していたが、市場を見る限り特段影響は出ていない。

ここで考えるべきことは、米国の連銀総裁がこぞってテーパリングを真剣に考え始めた時の株価の下落。その動きは仮想通貨市場に連動すると考えられるため、米国の緩和策の縮小に関しての話題は敏感になっておくべきところ。

また、足元は金価格の上昇が続いており、機関投資家がビットコインから金へリバランスしているとの指摘も出ている。ビットコインは「デジタルゴールド」とも呼ばれ、昨今では価値の保存を目的として購入を進める企業もある。同様の目的でビットコインの購入を進めていた機関投資家が、株価の下落で仮想通貨には流れず、金に流入する動きは継続するか。

仮想通貨はどちらにしても上値の重い展開が継続しそうなため、引き続き40,000ドルを突破するか、サポートラインを割れるかに注目してポジション取りをしたい。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12