モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメント(MSIM)は9月30日、脱炭素特化のプライベートエクイティファンド「1GT climate private equity fund」の最終クローズで7億5,000万ドル(約1,100億円)を調達したと発表した(*1)。同ファンドでの投資を通じて、2050年までに二酸化炭素換算(CO2e)で1ギガトン(10億トン)の排出回避・削減を目指す。
1GTは北米および欧州の気候変動の緩和を目指す企業を対象に投資する成長株ファンドである。1GTを運用するチームのインセンティブの半分は、50年までに1ギガトンのCO2e排出の回避または削減を達成することにリンクさせた。
1GTはMSIMが有する2,400億ドル規模のオルタナティブ投資事業の一部である。投資対象はモビリティ、電力、持続可能な食糧、農業、サーキュラーエコノミー(循環経済)分野における非上場企業となる。
欧州連合(EU)のサステナブルファイナンス開示規則(SFDR)に基づく9条ファンドに該当する。9条ファンドは、環境または社会的な特性を促進し、投資プロセスに持続可能性を組み込まなければならない。
1GTの運用チームは、モルガン・スタンレーの豊富なリソースを活用し、ポートフォリオに組み込んだ企業と連携して収益および事業の拡大、出口戦略の強化を図る。気候変動の緩和促進とESG(環境・社会・ガバナンス)モニタリングおよび報告の改善を支援する。
1GTの投資例としては、高性能ポータブルバッテリーを提供するInstagrid、持続可能な栄養食ブランドのHuel、持続可能なサプライチェーンサービス企業であるEverstream Analyticsなどが挙げられる。
MSIMの気候プライベートエクイティ投資部門および1GTの責任者を務めるヴィクラム・ラジュ氏は「1GTは世界的にCO2を大幅に削減できる製品やサービスを手掛ける企業の成長段階に資本を提供する、非常に焦点を絞ったファンドだ。チームのインセンティブ報酬と排出削減を直接結びつけ、具体的で透明性が高く、独立機関が測定する気候目標を持つファンドに投資できるユニークな機会を提供する」と述べた(*1)。
【参照記事】*1 Business Wire「Morgan Stanley Investment Management Closes 1GT Climate Private Equity Fund at $750 Million」
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