米指数算出会社MSCIは2月6日、未公開企業のサステナビリティと気候変動に関するデータ開示へのアクセスを一元化したハブ「MSCIプライベート・カンパニー・データ・コネクト」をリリースした(*1)。世界の未上場株投資における透明性の向上やリスク管理プロセスの改善につながるツールだ。
企業のサステナビリティや気候変動への配慮が、ますます資本配分や融資、その他の意思決定プロセスで重視されるようになってきた。投資家はこの重要なデータを共有・分析するための効率的かつ効果的な方法を必要としている状況だ。
そのような中、MSCIプライベート・カンパニー・データ・コネクトは、未上場企業のサステナビリティと気候変動に関するデータを把握したい投資家に、透明性と共通言語を提供することを目的としている。
ユーザーは、デューデリジェンスとリスク管理プロセスの実行、顧客や規制当局のサステナビリティ・レポーティング要件へ対応できるようになる。投資先企業に対するエンゲージメントや目標設定など、サステナブルな価値創造戦略の策定も可能だ。
各企業は、自己申告データの所有権を保持し、貸し手などからのデータ要求をプラットフォーム上で直接承認または拒否することができる。同ツールは、アクティブ運用の機関投資家や市場参加者を検索し、積極的にデータへのアクセスを提供することにも対応している。
ESG統合開示プロジェクト(ESG IDP)が開発した報告書テンプレートを活用する方針だ。ESG IDPは、プライベートクレジットとシンジケート・ローン市場の主要な貸し手が結集し、透明性と説明責任を向上させるための業界イニシアティブである。
気候テックのパーセフォニのソフトウェアを活用し、排出量データのない企業が炭素会計を簡素化できるよう支援する。同社の人工知能(AI)を搭載した炭素測定・報告ツールである「パーセフォニ・プロ」は、MSCIプライベート・カンパニー・データ・コネクトのユーザーが無料で利用可能なプラットフォームとなる。
MSCIのESGヘッドを務めるエリック・モーエン氏は「MSCIプライベート・カンパニー・データ・コネクトは、上場企業を評価するのと同程度の水準で、未上場企業のサステナビリティへの取り組みに関する洞察を与えるよう設計されている。世界の未上場株投資における透明性を向上させ、投資家が複雑で総合的なポートフォリオを管理するのを支援するものだ」と述べた(*1)。
【参照記事】*1 MSCI「MSCI develops solution to centralize private
market climate and sustainability disclosures」
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