アメリカ世代間の富の移転、ビットコインの大規模採用の引き金に。米取引所Krakenレポート

米国の大手デジタル資産取引所Krakenは3月に発行したレポートで、今後数十年以内に起こるアメリカのベビーブーマー世代からジェネレーションXとミレニアル世代への“巨万の富の移転”と、次の世代のデジタル志向によって、ビットコインの大規模な採用が実現するという見解を示している。

“イノベーションの普及理論”において、洗濯機やラジオ、インターネットなどの革新的なテクノロジーの採用の急速な加速はS字カーブ(シグモイド曲線)と呼ばれる。イノベーションの採用は最初はゆっくりと着実に進み、転換点に達すると急成長を遂げて最終的に横ばいになる。S字カーブは「採用の波」を意味し、ユーザーグループがイノベーションを採用する期間に渡って形成され、採用グループの規模、価値、採用理由の違いに影響を受ける傾向がある。

ビットコイン・ウォレットの数、価格、ブロックチェーンのサイズ、ハッシュレート、日々の取引件数など、ビットコインの様々なオンチェーン指標が数年間に渡ってS字カーブの成長を遂げている。例えば、ビットコインを0.1~1枚所有するウォレット数は2014年に24万件であったが、2020年1月には200万件に増加している。Krakenは、2011年以降のビットコイン・ウォレット数の成長軌道とインターネットのユーザー数の増加ペースの類似性を指摘する。

ビットコインの採用拡大に拍車をかけるのが、アメリカのジェネレーションX(1981 – 1996)とミレニアル世代(1965 – 1980)である。ミレニアル世代は、銀行や政府の中央集権の代替案となり、携帯可能、希少、デジタル、確実なアクセス性といったビットコインの特性を好む傾向にある。ドットコムバブルやリーマンショックを経験したジェネレーションXは、中央権力と金融政策に懐疑的であり、手段が存在すれば銀行外に資金を持ち出したいと考える傾向がある。

そしてジェネレーションXとミレニアル世代は、次の25年間にアメリカのベビーブーマー世代(1946 – 1964)から68.4兆ドルもの巨額資産を相続する。Krakenは相続財産のうちビットコインに割り当てられる割合が2044年までに5%に達すると見ており、相続税2%を考慮して、ビットコインに1兆ドルの資金が流入すると結論付けている。

ビットコインはまだ初期段階にあり、ジェネレーションXとミレニアル世代はこれが「独自の課題を抱えている」ことを認識している。ビットコインの現在のボラティリティは、多くの個人に適さないことを考慮する必要があるだろう。採用拡大は、世代毎のポリシー、経験、好みにのみ影響される訳ではなく、個人のニーズや技術的な環境にも左右される。現在のところ、まだ誰もがビットコインを使えるわけではない。

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高橋奈夕

高橋奈夕

国際基督教大学4年。NYに支社を置くブロックチェーン専門のベンチャーキャピタルで半年以上インターンとして勤める。バイリンガルを生かして海外の記事を翻訳し、よりよい情報を国内に広めることにコミットしている。