ドイツ銀行、「コロナ禍が中央銀行のデジタル通貨開発に拍車をかける」

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ドイツ銀行のリサーチャーは、世界中でコロナウイルスの感染が拡大することによって多くの国でデジタルキャッシュの採用と移行が加速する可能性があると主張した。米国のビジネスニュースメディアDecryptが4月6日、伝えている。

「多くの政府が現金の受け渡しを感染拡大のリスク要因と見なしており、COVID-19パンデミックは中央銀行のデジタル通貨の検討を加速させている」とドイツ銀行は述べている。同行のマクロストラテジスト、マリオン・ラブール氏が共同執筆した記事を引用して、ドイツ銀行は4月3日にツイートした。

「COVID-19キャッシュアウト」と題した記事によれば、物理的な通貨を直接交換することでコロナウイルスが感染する可能性があるため、世界中の国々にとって現金の使用を再考する理由があるとしている。「COVID-19はデジタル決済を完全に主流なものにする触媒になるかもしれない」と記事は述べており、「デジタル決済業界は、危機によって生じた機会に既にフォーカスしている」と加えた。

中国はCOVID-19の蔓延に歯止めをかけるためにハイリスク感染エリアの紙幣を消毒し、処分も行った。先述の記事は世界中の政府がこうした事例を追従する形の「選択肢を近いうちに検討する」と主張した。また、「100年に1度の病原体には100年に1度のソリューションを要する。やがて訪れるデジタル決済へのシフトを加速させる必要があることは明白だ」としている。

しかし、現金は人々の習慣として根強く入り込んでいる。ドイツ銀行の調査によると、先進国の回答者の3分の1が好みの決済方法のトップとして現金を選んでおり、回答者の半数以上は常に現金が社会に残ると考えている。ヨーロッパに大規模なテック企業や金融企業が存在しないことも、デジタル決済へのシフトが遅れている要因だ。キャッシュレス決済にPaypalやApple pay、Google payといった米国で開発されたソリューションに頼らざるを得ない。ヨーロッパで現金がシェアを握る状況は、近い将来に劇的に変化するかもしれない。

【参照記事】Digital currency is the future, says Deutsche Bank strategist

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