IRENA・GWEC・デンマーク政府、世界洋上風力連合立ち上げ。30年までに導入容量を21年比670%増目指す

国際再生可能エネルギー機関(IRENA)、世界風力会議(GWEC)、デンマーク政府は9月19日、洋上風力発電を推進するためのイニシアチブ「世界洋上風力連合(GOWA)」を立ちあげた(*1)。2030年までに洋上風力の導入容量を21年比で670%増を目指す。

洋上風力は世界のエネルギー・トランジション(#1)を推進し、気候・エネルギー危機に取り組むうえで非常に大きな潜在可能性を秘めている。IRENAと国際エネルギー機関(IEA)の予測によると、世界の気温上昇を1.5℃に抑え、50年までにネットゼロを達成するには、2,000ギガワット(GW)の洋上風力の導入容量が必要になるという。

しかしながら、21年時点では僅か57GWに留まる。このことが、IRENA、GWEC、デンマーク政府が新たなグローバルアライアンスであるGOWAを発足した理由である。発足に際しニューヨークで開催されたイベントには、米国政府の高官も出席したという。

デンマークのダン・ヨルゲンセン気候・エネルギー・公益事業大臣は「気候変動に取り組み、化石燃料の利用を段階的に減らし、エネルギー安全保障を強化するうえで、洋上風力エネルギーを大幅に拡大させることが重要だ。それを単独で行うことはできず、公共・民間部門および各国・地域と協働する必要があり、GOWAはそのためのプラットフォームになるでしょう。」と述べた(*1)。

GWECのベン・バックウェル最高経営責任者(CEO)は「ボラタイルな(変動幅が大きい)化石燃料への依存は、エネルギー安全保障を脅かし、生活費の高騰、過酷な熱波につながる。一方で、洋上風力は低コストで炭素を排出せず大規模に発電できる効果的なソリューションであり、世界中で雇用を生みだし、新規投資も行われる」と言及した(*2)。

GOWAの立ち上げを主導した北欧の小国デンマークは洋上風力発電の先進国だ。1970年代の石油ショックをきっかけに、洋上風力をエネルギー戦略の軸にした。91年には世界初の洋上風力発電所を建設している。

民間レベルでも洋上風力市場をリードする企業を生みだしている。石油開発から再エネ事業へと大きく舵をきったオーステッド(前身はデンマーク石油ガス(DONG))は、いまも世界トップレベルの洋上風力事業者だ(*3)。7月には世界最大級の洋上風力発電所プロジェクト「Hornsea 3」の事業権を獲得している(*2)。さらに、ヴェスタス(VWS)は風力発電機メーカーとして世界最大手となる。

【参照記事】*1 世界風力会議「New global alliance taps into offshore wind’s enormous potential – Global Wind Energy Council
【関連記事】*2 オーステッド、英政府の再エネ支援制度下にて世界最大級の洋上風力発電所事業獲得。2027年運営開始へ
【関連記事】*3 10年間でグリーン・エネルギー企業に転じたオーステッドの変革

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フォルトゥナ

フォルトゥナ

日系・外資系証券会社に15年ほど勤務。リサーチ部門で国内外の投資家様向けに株式レポートを執筆。株式の専門家としてテレビ出演歴あり。現在はフリーランスとして独立し、金融経済やESG・サステナビリティ分野などの記事執筆、翻訳、および資産運用コンサルに従事。企業型DC導入およびiDeco加入者向けプレゼンテーション経験もあり。
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