英金融大手HSBCホールディングス(ティッカーシンボル:HSBC)傘下のHSBCアセットマネジメントは9月20日、サーキュラーエコノミー(循環経済)関連ファンド「HSBC GIF Global Equity Circular Economy」を設定した(*1)。
同ファンドを通じ、サーキュラーエコノミーへの移行に資する約60社に投資する。具体的には廃棄物や汚染の除去、製品や素材の持続的な利用、自然システムの再生に取り組む企業となる。
指数連動型(いわゆるインデックスファンド)とは異なり、一般的な指数を意識せず、ボトムアップアプローチで運用し、確信度の高い(ハイ・コンビクション)銘柄でポートフォリオを構成する。地理的、産業サブセクター、企業の成長段階によって一定の資金を振り向けることはしない。
同ファンドは、金融機関などを対象としたサステナビリティ(持続可能性)関連の開示規則「サステナブルファイナンス開示規則(SFDR)」の金融商品レベルの開示のうち、サステナブルな投資目的をもつ金融商品(9条商品)に該当する。9条ファンドは、長期的な経済的リターンとポジティブで測定可能な社会的及び環境的インパクトの両立をめざす金融商品である。
さらに、国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)の17目標すべての実現を目指すものだ。ターゲット顧客は法人、機関投資家、個人富裕層、ファミリーオフィス(#1)、プライベートバンクとなる。
HSBCアセットのサステナビリティ部門ヘッドを務めるエリン・レオナルド氏は「毎年、地球1.8個分に相当する資源を消費しているため、それらは枯渇しつつある。われわれは資源を保全し、最終的には再利用を試みるビジネスモデルを持つ企業に投資する」と述べた(*1)。
同ファンドは、「HSBC MSCI Emerging Markets Climate Paris Aligned UCITS ETF (HPEM)」、「HSBC MSCI AC Asia Pacific ex-Japan Climate Paris Aligned UCITS ETF(HPAJ)」、「Asia ESG Bond」に続く、気候変動対策の国際的な枠組み「パリ協定」に準拠したESGファンドとなる。
ETF関連では8月、生物多様性の保全に積極的に取り組む企業を投資対象としたETF「HSBC World ESG Biodiversity Screened Equity UCITS ETF」を発行した(*2)。生物多様性の観点から銘柄をスクリーニングするETFとしては世界初になるという。
(#1)ファミリーオフィス…資産家一族の資産管理を行う運用会社。
【参照記事】*1 HSBCアセットマネジメント「 HSBC Asset Management launches Circular Economy Fund」
【関連記事】*2 HSBCアセット、生物多様性関連ETFを発行。同種で世界初
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