リサーチアドバイザリー企業のガートナーが、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2021年」を8月24日に公開した。暗号資産・ブロックチェーン関連の分野としては、「分散型金融(DeFi)」「非代替性トークン(NFT)」「分散型アイデンティティ(DID)」が表記されている。
ハイプ・サイクルは、「信頼の構築」「成長の加速」「変化の形成」といった3つの包括的なトレンドに集約される。企業が新規事業などに取り組む際の参考指標として利用されたり、テクノロジートレンドの変遷を振り返る際などに引用されてきた。
数あるハイプ・サイクルの中でも「先進テクノロジのハイプ・サイクル」は独特のものであり、それぞれのテクノロジーが主に5つのフェーズに分類されて表記される。
- 黎明期
- 「過度な期待」のピーク期
- 幻滅期
- 啓発期
- 生産性の安定期
黎明期を経て一時的に「過度な期待」を集めるピーク期に入るものの、すぐに幻滅期が訪れ、その後は啓発期を越え生産性の安定期に入っていく。暗号資産・ブロックチェーンの場合、ビットコインの誕生で黎明期を迎え、イーサリアムの登場をきっかけとしたICOバブルで「過度な期待」のピーク期を経て現在は幻滅期にあるといえるだろう。
上図を見ると、DeFiが黎明期、NFTとDIDが「過度な期待」のピーク期にあるとされている。ガートナーのアナリストであるPhilip Dawson氏によると、ハイプ・サイクルにおける特に注目すべきテクノロジーは、「信頼」「成長」「変化」というテーマに分類されているという。
DeFiとNFTは、DIDやリアルタイムインシデントなどと共に、「信頼」のテーマに分類されている。
下図は同ハイプ・サイクルの2020年版となっているが、2021年版には記載されなくなったものが次の通りいくつか表記されていた。
- ブロックチェーン・ソサエティ
- 非中央集権型アプリケーション
- ブロックチェーンによるトークン化
- ブロックチェーン
DeFiもNFTも1年前には記載されていなかったものであり、暗号資産・ブロックチェーン業界の変化がいかに激しいものであるかがわかる結果となっている。
【参照記事】3 Themes Surface in the 2021 Hype Cycle for Emerging Technologies
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