8月5日に実行されたイーサリアムの大型アップデート「London(ロンドン)」ハードフォークにより、1週間経過時点で1億ドル相当のETHがバーン(焼却)されていることがわかった。米暗号資産メディアDecryptが報じている。
ロンドンハードフォークは、イーサリアムの供給量を減少させるためのアップデートだ。EIP-1559を含む実装が行われ、トランザクションの手数料モデルを「BASE FEE」と「PRIORITY FEE」に変更している。
このうちのBASE FEEがマイナーに報酬として支払われるのではなく、バーンされているのが特徴だ。ロンドンハードフォークが実装されてから1週間が経過した時点で、すでに1億ドル相当のETHがバーンされている。
ロンドンハードフォーク以降のイーサリアムのブロックデータが確認できるサイトultrasound.moneyによると、8月18日時点では58,750ETHがバーンされており、早くも2億ドルに到達する勢いを見せている。
バーンされたETHのうち約10%は、NFTマーケットプレイスのOpenSeaを通じて発生していたものだ。次いでDEXのUniswap v2、ステーブルコインUSDT、ブロックチェーンゲームAxie Infinityと続く。
ビットコインは発行上限が約2,100万BTCと定められている一方で、イーサリアムには発行上限が設定されていない。そのため、ビットコインと比べてデフレ気質に欠けていたものの、ロンドンハードフォークの実装によりこれが備わったことになる。
ただ、ロンドンハードフォークが実装される以前よりイーサリアムにはデフレ気質が備わっていたとの見方も存在する。具体的には、DeFi市場にロックされているETHの総額は約1,550億ドル相当となっており、これらを市場に流通していない資産として捉えているようだ。
また、秘密鍵などの紛失により引き出すことが不可能となってしまったETHが一定存在することから、これらもデフレ影響を与える要素として考慮されている。
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【参照記事】Ethereum Has Burned $100 Million in Fees Since EIP-1559 Took Effect
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