イーサリアムの大型アップデート「London(ロンドン)」ハードフォーク以降にバーン(焼却)されたETHが、11月24日時点で100万ETH(約43億ドル相当)に達したことがわかった。
イーサリアムは、8月にEIP-1559によるハードフォークを実施していた。EIP-1559では、イーサリアムにおけるトランザクションの手数料モデルを変更し、「BASE FEE」と「PRIORITY FEE」が採用されている。
PRIORITY FEEは報酬としてマイナーに支払われる一方で、BASE FEEはバーンされる仕組みだ。これによりイーサリアムの新規発行量が減少し、ETHの価格を引き上げることが期待されている。実際、ETHの価格推移を見てみると、発行量の減少に伴いアップデート以降は3,000ドルから4,500ドルまで上昇しており、期待通りの価格上昇となっている。
EIP-1559の実装により、トランザクションあたりのガス代はアルゴリズムによって決定されるようになった。これにより、バーンされるETHの量はその時のイーサリアムネットワークの混雑状況に影響されるようになっている。つまり、ネットワークが混雑するほどガス代が高騰するということだ。
ここ数ヶ月間のDeFiやNFT市場の活況により、イーサリアム上のトランザクション数は急増している。そのため、アルゴリズムによって決まるガス代も高騰傾向にあるようだ。その結果、BASE FEEが増加しバーンが加速している。
バーンが加速することでETH価格が上昇する一方で、ガス代の高騰によりイーサリアムエコシステムに新規参入するユーザーが減っていることも懸念材料だ。ビットコインの平均手数料が過去3ヶ月間で5ドル以下であったのに対して、イーサリアムの平均手数料は10ドルを超過。定期的に50ドルを超える状況に陥っている。
一方で、ガス代が高騰することで少額の取引が減少し、売り圧力が減るという観点ではETH価格の上昇に繋がると考えている投資家もいるようだ。すでにETHを保有している人にとってはプラスの要因となるものの、新規参入者には高いハードルとなっている。
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【参照記事】Ethereum Has Burned 1 Million ETH Since August Hard Fork
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