韓国の金融委員会(FSC)の副委員長Do Gyu-sang氏は11月17日、韓国国会の政務委員会内でイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を同国の資本市場法に含める必要があると言及した。韓国大手メディアMoney Todayが報じている。
ICOは、企業が暗号資産を発行することで資金調達を行う方法だ。これまで資金調達を必要とする多くの企業は、株式を発行しIPO(株式の新規上場)を行うのが一般的となっている。しかし、株式を上場するには多くの審査に加えコストもかかるため、一部の企業でしか行うことができなかった。しかし、ICOではそのような手続きが必要なく、誰でもスムーズな資金調達を行うことが可能である。
一方で、ICOには発行までの手続きがないことによるリスクも存在する。2017年にはICOを使った詐欺的な事件が多発し、多くの国がICOに対して規制を行なった。
韓国も2017年に規制を行なった国のひとつである。当時のFSCは、ICOによって投資家が詐欺や市場操作の被害に遭うリスクに言及し、あらゆる形式のICOを禁止する方針を明らかにしていた。
Do氏によると、ICO規制緩和のためには、まず適用される財務報告要件を再検討しなければならないとのことだ。FSCは、政務委員会に提出した資料内で、株式市場への上場と同様に、ICO時にもホワイトペーパーや投資家向け目論見書、セキュリティ上の説明書などを開示することが必要であると述べている。
またFSCは、多くのプロジェクトがICO時に公表するホワイトペーパーの記載事項についても見直すべきであると主張。具体的には、ホワイトペーパー内にプロジェクトの詳細な説明や資産の分類、主要な投資家に関する情報、基盤となる技術などの項目を最低限含めるべきであるとのことだ。
FSCの草案は、取引のリスクや税金および手数料に関する詳細情報を報告することも規定している。ICOで受け取った資金は銀行に預ける必要があり、その内容を会計報告書に記載しなければならないという。
ICOに関する規制緩和が進む一方で、韓国で推進されている250万ウォン(約2,100ドル)以上の暗号資産売却益に対して20%の課税を行う計画は、今後も継続するようだ。
【参照記事】South Korea’s financial regulator lays groundwork for ICO regulations
株式会社techtec リサーチチーム
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