日本投資顧問業協会が12月18日に発表した会員調査「日本版スチュワードシップ・コードへの対応等に関するアンケート(第6回)の結果について」(2019年10月実施分)によるとアクティブ運用を行う3社のうち2社がESG(環境・社会・統治)を考慮しており、比率は前年より上昇していた。調査は、日本版スチュワードシップ・コードを受け入れている投資運用会社など239社を対象に実施、97%にあたる233社が回答した。
日本株への投資残高を有するアクティブ運用を行っている運用会社のうち、運用に際してESGを考慮していると回答した割合は75.5%で、前年調査の62.9%から12.6%上昇した。ESG投資を行う理由としては、顧客からの要請のほか、中長期の企業価値・運用パフォーマンスの向上期待などが挙げられた。
日本版スチュワードシップ・コードに関する方針を 2019年8月末時点で「策定済」とした社は123社、「策定中」とした社は4社だった。コードの改訂内容を踏まえて、公表項目の更新と更新の公表をともに行った社は112社に上った。「策定した方針」および「顧客との利益相反に関する方針」をウェブサイトなどで「開示済」とした社は、それぞれ121 社(95%)、104社(82%)だった。
顧客に対する方針の説明状況を訊ねたところ、「ウェブサイト等で開示している」が92社(73%)で、情報開示をインターネットで行う企業が圧倒的に多い。「要請のあった顧客のみ直接説明している」を選択した社が52社(41%)、「現時点で顧客から要請がないが、要請があれば直接説明する」とした社が28社(22%)である一方、「全ての顧客に直接説明している」とした社は9社(7%)にとどまった。
スチュワードシップ活動について顧客から受けた質問、あるいは送付されてきた質問状の内容では「日本版スチュワードシップ・コードに関する方針について」を選択した社が最も多く56社(88%)次いで「議決権行使状況について」が51社(80%)、「エンゲージメント活動について」が 48社(75%)で、それぞれ前回調査と同水準となった。なお「議決権行使結果を個別企業および議案ごとに公表することについて」は31社(48%)だった。
機関投資家の経営陣自らがスチュワードシップ活動の実行とそのための組織構築・人材育成に関する課題に、具体的に「取り組んでいる」とした社は78社(80%)。具体的には、「経営陣自らの行動等」に加え、「研修・勉強会等」「組織内での相互連携」「ESG 関連」「ガバナンス」などに関する取り組みを挙げる回答が多かった。
【参考記事】日本版スチュワードシップ・コードへの対応等に関する アンケート(第6回)の結果について (2019年10月実施分)(PDF)
HEDGE GUIDE 編集部 不動産投資チーム
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