ESG配慮で「不動産価値高まる」8割、普及促進に認証制度の声も。国土交通省調査

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国土交通省は4月26日、ESG(環境・社会・ガバナンス)不動産の評価に関する調査結果を発表した。国内のオフィスビルに関する市場関係者(投資家、金融機関、テナントなど)の環境性、快適性、健康性に対する現状認識や今後の対応方針などの実態を把握する目的。それによると、ESGに優れた不動産の価値が高まる、または今後高まるという回答は約8割にのぼり、特に投資家はESG不動産への投資を行う理由の1位に「入居者や入居企業がESGを重視して入居を選別しているから」(3割超)を挙げた。

ESG投資が世界的潮流となる中、同省の「ESG投資の普及促進に向けた勉強会」の最終とりまとめ(2018年3月)で、不動産鑑定評価への反映を含めたESG不動産投資の基盤整備の方向性が示された。 調査はこれを踏まえ18年10月1日~25日に実施。主な調査事項は①ESG不動産への国内市場関係者の認識・評価②ESG不動産への国内市場関係者の投資姿勢③入居時のESGへの配慮に関する国内市場関係者の取組姿勢④ESG不動産への投資・入居促進策。企業年金基金、厚生年金基金、JREIT(リート)・私募リート・私募ファンド運用機関、金融機関、一般事業会社 411 社から有効回答(回答率 13.7%)を得た。

不動産について、ESGに配慮することにより「不動産価値は高まる」、または「今後高まる」という回答が不動産投資家・ビルオーナー側で約8割、テナント入居者側で7割を占めた。ESG不動産への投資を行う理由としては、「入居者や入居企業が環境性、健康性、快適性を重視して入居を選別しているから」という回答が3割を超え、最も多かった。その次に多い回答は「主要投資家(エクイティ資金供給者)がESGに配慮した投資行動を重視し、またそのような投資行動を行っている企業へ投資を選別しているから」で2割程度を占めた。なお、本設問の対象は不動産投資家・ビルオーナー側のみ。

テナント入居者側、不動産投資家・ビルオーナー側ともに、入居にあたってESGに配慮する理由として、「従業員の労働環境の改善、従業員の満足度向上につながる、または期待されるため」が最も多く、「中長期的な光熱費負担等のコスト低減効果がある(期待される)ため」といった経済メリットを上回った。テナント側では、「業務生産性が向上する(期待される)ため」「優秀な人材確保、長期雇用安定に寄与する(期待される)ため」が上位を占めた。

ESG不動産への入居にあたって、そうではない不動産と比較して許容できる家賃の上昇率としてはテナント入居者側、不動産投資家・ビルオーナー側ともに4%~6%が最も多かった。

日本でESG不動産への投資が(より一層)浸透・促進するために必要な情報・施策などと考えられる項目として、テナント入居者側、不動産投資家・ビルオーナー側ともに、「ESG不動産が事業収支の改善や不動産価値の向上につながることがわかる検証結果や好事例等の情報開示」「よりESGなどの要素を『見える化(評価の透明性)』するような新たな認証制度の創設」が上位を占めた。不動産投資家・ビルオーナー側は「ESG等の要素を積極的に鑑定評価に反映させる仕組み」が2割弱を占め、3番目に多かった。

【参照リリース】オフィスビル入居企業の満足度向上を投資家も重視~ESG不動産の評価に関する調査の結果を公表~

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