環境省、日本企業の脱炭素経営の取り組みを紹介。TCFD、SBT、RE100はいずれも世界上位

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環境省は6月8日、「企業の脱炭素経営の取組」として、気候変動に対応した経営戦略の開示(TCFD)や脱炭素に向けた目標設定(SBT、RE100)などを通じ、脱炭素経営に取り組む企業名を公表した。2015年のパリ協定を契機に、日本でも脱炭素経営の動きが活発になっている。同省は「こうした取組は、国際的なESG投資の潮流の中で自らの企業価値の向上につながることが期待できる。また、気候変動の影響がますます顕在化しつつある今日、先んじて脱炭素経営の取組を進めることにより、他者と差別化を図ることができ、新たな取引先やビジネスチャンスの獲得に結びつく」と経営上のメリットを強調、国として促進する方針。

TCFDは、G20の要請で金融安定理事会(FSB)により気候関連の情報開示および金融機関の対応をどのように行うかを検討するため、マイケル・ブルームバーグ氏を委員長として設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」。SBT(Science Based Targets)は温室効果ガス削減目標の指標の一つ、RE100(Renewable Energy 100%)は、事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟するイニシアチブ。

TCFDは世界で1247の金融機関、企業、政府などが賛同表明しており、うち日本では273機関で世界1位。SBTの認定企業数は世界で380社、うち日本企業は70社で世界2位、アジア1位。また、SBTにコミットメント中の企業は世界で505社、うち日本企業は25社。世界的には金融・保険、食料品関連企業が多く、日本では輸送用機器、電気機器関連企業が多いのが特徴だ。RE100は世界で237社が参加、うち日本企業は33社で世界第3位、アジア1位となっている。

TCFD、SBT、RE100のすべてに取り組んでいる企業として、建設業では:積水ハウス株式会社、大東建託株式会社、 大和ハウス工業株式会社、戸田建設株式会社、LIXILグループ 、住友林業株式会社、電気機器関連ではコニカミノルタ株式会社、ソニー株式会社、パナソニック株式会社、 富士通株式会社 、 富士フィルムホールディングス株式会社、株式会社リコー、情報・通信業では:株式会社野村総合研究所、小売業ではアスクル株式会社、イオン株式会社、株式会社丸井グループ、不動産業では三菱地所株式会社が紹介されている。

同省では、TCFDの報告書に沿ったシナリオ分析やSBT、RE100のための取り組みなど、脱炭素経営の取り組みを積極的に促進する。また、企業の持続的成長に向けて、ESG(環境・社会・ガバナンス)を考慮した活動を行う企業と投資家などの実質的な対話を普及・促進させるため「ESG対話プラットフォーム」も提供している。

【参照記事】環境省「企業の脱炭素経営への取組状況」

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HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム

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