中南米に位置するエルサルバドル共和国で、ビットコインを法定通貨として採用する法案が6月9日に可決された。大多数の賛成票を獲得したとされている。
エルサルバドルのNayib Bukele大統領が、6月5日に法案を提出する意向を表明してからわずか数日のスピード決定となった。世界で初めてビットコインを法定通貨として採用することにより、GDPの約2割を占める国際送金などの需要に応える構えだ。可決された法案には、主に次の内容が盛り込まれている。
- ビットコインで納税可能
- ビットコインの参考価格は米ドル建てのまま
- 商品価格をビットコイン単位(BTC)で表記可能
- ビットコイン取引は譲渡所得課税の対象外とする
- あらゆる経済主体は、商品の購入時にビットコイン支払いを提示された場合それを受け入れなければならない
法案は90日後に有効となる予定だ。国内での流動性を確保するために、新たに1.5億ドル規模の投資信託を設立するという。
エルサルバドルのMiguel Kattán貿易投資大臣によると、現在の法定通貨である米ドルの位置付けは変わらないとのことだ。上記の通り、ビットコインの参考価格は米ドル建てのままとなり、引き続き米ドルを基軸通貨に据えるとしている。
Kattán大臣は、「消費者側がビットコインでの支払いを希望し事業者側がそれを受け入れるのであれば、これまでの米ドル決済となんら変わりはない。そういった環境を作るための法案だ。」との見解を示した。
今回の法案可決を受けて、中南米の国(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、コロンビア、メキシコなど)が続々と暗号資産支持の意向を見せ始めている。
なお、米内国歳入庁(IRS)に在籍していたRoger Brown弁護士によると、エルサルバドルでビットコインが法定通貨になったからといって、即座に米国でビットコインが外貨として扱われることはないと主張。一方で、今後より多くの国がビットコインを法定通貨として採用することになった場合には、外貨としての取り扱いを検討する可能性もあるとしている。
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