イーサリアムの開発を主導するイーサリアム財団は1月27日、公式HP内でイーサリアムで使用されている名称を一部変更することを明らかにした。
今回変更された名称は、「Eth1」と「Eth2」である。これまで「Eth1」という言葉は、Proof of Work(PoW)と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムを利用した既存のイーサリアムを表現していた。
それに対して「Eth2」という言葉は、今後のアップデートによりProof of Stake(PoS)と呼ばれるコンセンサスアルゴリズムへ移行するイーサリアムを指す。
公式HPによると、今回の変更で「Eth1」は実行レイヤー(Execution Layer)へ、「Eth2」は合意形成レイヤー(Consensus Layer)へと名称が変更され、両者を足し合わせたものがイーサリアム全体を表すとされている。
名称変更の理由として、以下の4つが挙げられた。
思い込み対策
新規ユーザーが、「Eth1」と「Eth2」という名称により直感的に「Eth1」が先で「Eth2」が後だと考えることや、「Eth2」が存在すると「Eth1」は存在しなくなると考えたりする可能性がある。しかし、どちらも事実とは異なるため、名称変更によりこうした新規ユーザーの思い込みを排除することを目的としている。
包括性
イーサリアムのロードマップが進化するにつれ、「Eth2」はイーサリアムのロードマップを正確に表現することが難しくなった。名称を変更することで、多くの人がイーサリアムの今後のロードマップを正しく認識することができる。
詐欺の防止
「ETH2」というトークンが存在しないにも関わらず、「Eth2」という名の偽トークンの販売を持ちかける詐欺が確認されている。名称の変更により、「Eth2」という名称を利用した詐欺を防ぐことができる。
ステーキングの明確化
イーサリアムのステーキングの際に、一部のステーキング管理者は「ETH2」というトークンがないにも関わらず、「ETH2」というティッカーで表現している。名称変更によって、このような混乱を招く表記を防ぐ目的もある。
なお、名称変更後もイーサリアムのロードマップ自体に変化はなく、今後もイーサリアムの分散化を拡大することに注力していくとしている。
【関連記事】イーサリアムとは?特徴・仕組み・購入方法
【参照記事】The great renaming: what happened to Eth2? | Ethereum Foundation Blog
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宮﨑 龍三
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