パブリックブロックチェーンであるソラナ(Solana)で、1月21日から22日にかけて継続的なトランザクション障害が発生したことがわかった。
今回の障害は、ネットワーク上のトランザクション処理が遅延または失敗してしまうものだったようだ。この障害により、暗号資産の送受信や分散型金融アプリケーション(DeFi)、NFTの売買などソラナネットワーク上の様々な領域に影響が生じた。
通常、ソラナは3,000TPS(Transaction Per Seconds)を超える処理速度を誇るが、Solana Labsの共同創設者兼CEOのAnatoly Yakovenko氏によると、今回の障害では平均で800TPSまで処理速度が低下していたとされている。
一部ではソラナネットワークが完全にダウンしたという主張も見られるが、Yakovenko氏は今回の障害はネットワークがダウンしたわけではないと反論。一方でパフォーマンスの低下は否定できず、「本来のソラナが目指す状態ではない」ともコメントしている。
ソラナは、2021年9月に一度ネットワークがダウンしている。その際は暗号資産の売買を自動で行うBotによって発生したトランザクションの過負荷が原因だった。しかし今回の障害はこれとは異なり、bot以外の純粋なトランザクション数の増加が原因だったようだ。加えて、単にトランザクション数が増加しているだけでなく、DeFiの普及に伴う複雑なトランザクションにバリデーターが耐えられなかったことも原因とされている。
ソラナネットワークは1月に入ってからパフォーマンスの低下やネットワークが不安定になる日が計9日間発生した。いずれも原因は同じくトランザクション数の増加であり、24日頃にリリースされたメインネットバージョン1.8.14のアップデートで解決されたとされている。
Yakovenko氏は声明の中で、今回の障害の発生で改善点が見つかったことで開発者たちが8~12週間以内にロールアウトする予定のスケーリングソリューションをテストしていると言及した。
米暗号資産メディアDecryptによると、ソラナトークン(SOL)は最近の暗号資産市場の下落傾向により特に大きな影響を受けているという。トークン価格は直近一週間で42%下落し、暗号資産分析サイトCoinGeckoによる時価総額トップ20の中で最も大きな下落となった。現在、ソラナはターニングポイントにあると分析している。
【参照記事】Solana User Experience ‘Not What It Should Be’, Says Co-Founder as Network Struggles
株式会社techtec リサーチチーム
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