中国政府は香港・マカオ・広東省珠江デルタからなるグレーターベイエリアでデジタル通貨「DC/EP」の検証に使う計画を立てている。暗号資産メディアDecryptで8月12日付で報道している。
中国深セン市ではDC/EP(Digital Currency Electrical Payment)のBetaアプリが最終調整段階にある。中国人民銀行の担当者が地元メディアに答えたところによると、DC/EPが最初に実装されるのがグレーターベイエリアになる予定だという。
グレーターベイエリアの経済規模は2兆ドルに達しているが、競合する法システムが原因で、同エリアを経済ハブにしたいと考える中国の思惑は困難を極めている。一方で、法規制の標準化の欠如がグレーターベイエリアをブロックチェーンやDLT(分散型台帳技術)の実証実験の舞台としている側面もある。
Decryptによると、中国人民銀行の広州支店長は、同地域で国際決済を頻繁に行う金融機関や企業が初の実証を行うことになるとしている。中国ではブロックチェーンが「戦略的技術」と定義された背景もあり、政府お墨付きのブロックチェーン導入計画は積極的に展開されていくと考えられている。今までの発表によれば、中国人民銀行はDC/EPを2022年に予定されているオリンピックに間に合わせる形でローンチする計画であることが判明している。
2019年に発表されたFacebookによるデジタル通貨Libraの発表以降、中央銀行が発行するデジタル通貨「CBDC」の機運が高まっている。日本でも同様にCBDCへの取り組みは進んでおり、7月には日本銀行によって「デジタル通貨グループ」が設置されるなど、CBDCへの注目度はより高まりを見せている。
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高橋奈夕
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