大手IT企業IBMのエクゼクティブNitin Gaur氏によれば、IT企業は金融機関がDeFi(分散型金融)を活用するための支援を行っているという。8月12日、暗号資産・ブロックチェーンメディアCointelegraphのインタビューに対して答えている。
IBM金融サービスやデジタル資産ディレクターを務め、「Blockchain for Business」という著書も出版している同氏は、インタビューに対し、DeFiは今後ビジネスモデルの要素として中核的役割となるため、銀行などの金融機関がDeFiについて理解すべきであると話す。
DeFiは、一般的にイーサリアム上の金融サービス群やそのエコシステムを総称する言葉として知られている。ステーブルコインやレンディング、分散型取引所サービスなどがその例だ。資産はユーザーが自己管理可能し、スマートコントラクトによる信頼性と透明性をもち、グローバルに誰でもアクセス可能な他、レゴブロックのようなサービス同士の組み合わせが可能といった特徴がある。最近では、複合プロトコルによる資産分散でハイリターンを期待できる、流動性マイニングやイールドファーミングと呼ばれる手法が投資家に注目されている。
Gaur氏は、ほとんどの金融機関はDeFiに対し依然として消極的で、伝統的な証券システムのデジタル化に注力するにとどまっていると指摘。銀行がこの分野で成功するためには、DeFiプロダクトに取り組むだけでは不十分だとしている。
IBMではこれまで、多様なビジネス業態に対して、IBMブロックチェーンの採用によるテクノロジーコラボレーションを果たしてきた。フィンランド・ヘルシンキに拠点を置く金融グループのルディア銀行(Nordea Bank Abp)は、IBM Blockchain Platformに基づく貿易金融プラットフォームwe.tradeを開発し、30%のヨーロッパの中小企業への市場拡大に成功している。
主要な金融機関が本格的にDeFi市場へ参入するのかは定かではないものの、大手金融ゴールドマンサックスでは、デジタル資産部門の責任者を新たに迎える動きがあり、ポジティブな傾向が見られると同氏は語っている。
【参照記事】IBM Executive Reveals Plans to Help Banks Capitalize on DeFi
HEDGE GUIDE 編集部 Web3・ブロックチェーンチーム
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