2月12日に開催される主要国首脳会議(G7)で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)やデジタル税制に関するトピックを取り上げる方針であることを、麻生財務大臣が明らかにした。2月9日の記者会見後にロイターが報じている。
今回のG7はイギリスが議長を務め、新型コロナウイルスによる世界的な経済危機から脱却するために、国際税制の整備を進めることが最大の目的になるという。G7はイギリス、米国、日本、カナダ、ドイツ、フランス、イタリアによって構成され、各国の財務大臣および中央銀行総裁が参加する国際会議だ。
暗号資産に関連するトピックとしては、CBDCとデジタル課税があげられる。CBDCについては前回のG7でもトピックとして取り上げられたが、今回も引き続き重要テーマとして議論を深めたいとしている。
一方のデジタル課税については、GAFAMを中心としたTech Giantを対象にした国際税制の合意をどのように締結していくかが論点になるという。
G7ではこれまでにCBDCについて度々議論を巡らせてきた。2020年10月には、G7共同声明で中国のデジタル人民元への牽制を行なっている。黒田日銀総裁も、透明性や法の支配、経済ガバナンスへのコミットメントが不足している状態で、安易にCBDCを発行すべきではないと発言していた。
日本国内でも自民党のルール形成戦略議員連盟が、2020年2月に米国に対してG7でCBDCについて議論を始めるよう求める動きを取っている。
G7の他にも、国際的な枠組みでCBDCが議論される機会は日に日に増加している。G20にまで範囲を広げると、議論の総括としてはCBDCの発行に前向きな見解を示しており、G7での議論と矛盾する点が見受けられた。
世界経済フォーラム(ダボス会議)では、CBDCだけでなくステーブルコインがセットで語られるシーンが増えてきた。CBDCは必ずしもブロックチェーンを使って発行されるわけではないものの、ステーブルコインとの関連性は高く、ステーブルコインを脅威と捉えている国も少なくない。
【参照記事】Japan finance minister: G7 focus on emerging market debt, digital taxation and digital currency
株式会社techtec リサーチチーム
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