イギリスの中央銀行であるイングランド銀行とイギリスの財務省が、CBDCの研究開発を行うためのタスクフォースを発足させたことが4月19日に明らかとなった。
Central Bank Digital Currency Taskforceと題された今回のタスクフォースは、イギリスにおけるCBDCの実用性について探るための組織になるという。タスクフォースの一環として、「エンゲージメントフォーラム」と「技術フォーラム」が設立されている。
エンゲージメントフォーラムでは、各所の幹部を巻き込むことでCBDCに関する技術的な観点以外の知見を溜めていくという。一方の技術フォーラムでは、文字通りCBDCに関わる技術的な課題の洗い出しや実装のための具体的な技術要件を整理する。
今回の取り組みに合わせて、財務省はブロックチェーンが金融インフラをどのように変革するかを調査する方針であることを明らかにした。一方のイングランド銀行は、CBDCは現金や銀行預金に取って代わるものではなく、全て共存できると言及している。
タスクフォースの議長は、イングランド銀行の金融安定化担当副総裁であるJon Cunliffe氏と、財務省の金融サービス担当局長であるKatharine Braddick氏が共同で務めるという。
今回の発表に伴い、財務大臣のRishi Sunak氏は次のようにコメントしている。
「我々のビジョンは、よりオープンでより環境に優しく、より技術的に進んだ金融サービスを構築することです。急成長するFinTechをサポートしデジタルファイナンスの限界を拡張させることで、金融市場をより効率化させることができるでしょう。」
イングランド銀行は、2020年にカナダ銀行や日本銀行、欧州中央銀行、スウェーデン銀行、スイス国立銀行と共にCBDCの潜在的な実用例について調査を行なっていた。
経済規模の小さい国ほどCBDCの研究調査には意欲を示しており、バハマやカンボジアでは既に広い範囲で実用化が進められている。
【参照記事】Bank of England statement on Central Bank Digital Currency
【参照記事】Ambitious plans to boost UK fintech and financial services set out by Chancellor
株式会社techtec リサーチチーム
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