仮想通貨取引所BITPointを運営する株式会社ビットポイントジャパンは7月16日、仮想通貨流出に関する現状と今後の対応方針を発表した。また、ビットポイントが取引システムを提供している海外取引所においても、仮想通貨の不正流出が確認されていることも明らかとなっている。同取引所における仮想通貨の流出は7月11日に発生しており、不正流出発生数日後の会見となった。
流出した仮想通貨は、ビットコイン(BTC)1,225BTC(約15億3,000万円)、ビットコインキャッシュ(BCH)1,985BCH(約7,400万円)、イーサリアム(ETH)11,169ETH(約3億3,000万円)、ライトコイン(LTC)5,108LTC(約5,600万円)、XRP28,106,343XRP(約10億2,700万円)で、被害総額は約30億2,800万円にのぼる。これに対し、ビットポイントジャパンは、流出分の仮想通貨を既に調達済みであることを明かした。今後サービス開始に伴い、顧客の請求により払い戻しの対応をすると説明している。
不正流出に対する対応として、不正流出に関する原因を外部専門家の協力を得て調査を行うこと、ホットウォレットの秘密鍵の暗号化、マルチシグと二重のセキュリティ対策を行ったことが報告された。調査の実施項目は、システム記録の調査・分析、不正アクセスの流入経路等の脆弱性調査、ウォレットサーバの調査、ホットウォレット実装における脆弱性調査、ブロックチェーンの解析、不正流出先の追跡調査となっている。
同社代表の小田玄紀氏は、仮想通貨のハッキングに対して万全な対策をしている認識でいたが、秘密鍵漏洩後の対策までを考慮できていなかったとしている。同社は金融庁からの業務改善命令の解除を受けたばかりで、同庁による指導はもちろん、仮想通貨の自主規制団体であるJVCEA(仮想通貨交換業協会)の自主規制ルールにも則った仮想通貨交換業を執り行っていた。
万全な対策を行っていたにも関わらずに発生してしまった不正流出により、投資家の心象を大きく損なったことは言うまでもない。今後、同社自身の信頼回復はもちろん、業界全体の信頼回復のためにも、同社が原因追求と対策に真摯に取り組んでいくことを期待したい。
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立花 佑
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