近年ビットコインが一躍有名になったが、誰もがその状況を歓迎しているわけではない。ビットコイン人気が法定通貨の評価に及ぼす影響を懸念してか、介入に乗り出す政府が現れ始めている。howmuch.netでは、2018年1月時点での各国のビットコインに対する対応状況を、色分けした地図を用いて示している。
各国の状況は5段階で表示され、ビットコインを合法とする国、公然と合法にしてはいないが特に規制もしていない中立的な国、ビットコイン市場を規制している国、違法とする国、情報のない国、に分けられている。世界246か国の内訳は、合法と中立を合わせて99か国(世界の40%)、規制する国が7か国(3%)、違法が10か国(4%)、情報なしが130か国(53%)となっている。
地域別の傾向を見ると、ヨーロッパなど西側にある国々よりも、アジアなど東側にある国々のほうがビットコインに何かしらの対策を講じている国が多いことが分かる。ロシアは現在ビットコインを違法とする最大の国であり、中国と韓国は最近ビットコインの利用に対する監視および規制を強化した。中国、韓国の両国では仮想通貨市場に参入する人々が多かったため、この政府介入の影響で市場では売りの傾向が強まった。
北アメリカ地域と西欧諸国のほとんどはビットコインを認めており、中東地域では対応が二分されている。例えばイラク、イラン、トルコではビットコインが合法とされているのに対し、アフガニスタン、パキスタン、サウジアラビア、エジプトでは仮想通貨に対する様々な規制が設けられている。
全体的に見れば、まだ過半数以上の国がビットコインに対してこれといった意思表明をしていない。新産業の様子をうかがっている国が多いのだろうか。今後ビットコインなどの存在を無視できなくなれば、一歩引いた場所から静観していた国々も何らかの対応を迫られるだろう。容認か規制か。仮想通貨といえども政府のコントロールと無縁ではいられない。
【参照サイト】Mapped: Bitcoin’s Legality Around The World
【関連ページ】ビットコインとは?特徴・仕組み・購入方法(BTC)
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木村つぐみ
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