法人によるブロックチェーンへの投資状況と金融業界の動向

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米ニューヨークに本拠を置くリサーチ会社のCB Insightsは、ブロックチェーンおよび仮想通貨への投資トレンドに関するレポート「Blockchain Investment Trends In Review」を公表した。同レポートによると、法人は今までプライベートブロックチェーンやコンソーシアに投資をしていたが、最近はイーサリアムなどのパブリックブロックチェーンに投資をする動きも活発になってきている。

法人による投資は盛んで、2017年にブロックチェーンへの投資を行った法人は過去最高の91社にも及んだ(10月8日時点)。同時期にブロックチェーンへの投資を行ったベンチャーキャピタルは95社で、両者の数の差は縮まってきている。

2012年以降、全体で140以上のブロックチェーンに法人が株式投資を行い、その投資額は1.2億ドル近くに及んだ。中でも一番多く投資を行っているのが日本のSBIホールディングスで、計8社に投資している。次いで、GoogleとOverstock.comが同数で6社、Citibankの5社、Goldman Sachsの4社、と続く。Overstock.comでは、Medici Venturesというブロックチェーンの社内ベンチャーの立ち上げをおこなっているほか、ブロックチェーンをベースに決済効率化を目的としたプラットフォームT ZeroのICOも予定している。

業界別に見ると、大手の銀行や金融サービス会社の多くが先陣を切ってブロックチェーンに投資を行った。ビットコインを支えるブロックチェーン技術が金融サービスと相性が良いことを鑑みれば、これは十分うなずける話だ。2014年半ば以降、50以上の世界的な金融機関が投資を行っているが、金融機関による投資が顕著に増加したのは2015年半ばから2016年前半の頃だった。

金融機関のなかには、投資だけに留まらずにブロックチェーンの企業とパートナーを組む銀行もある。例えばCitibankはNasdaqとパートナーを組み、その投資先であるChain社のブロックチェーン技術を使った流動性リスクの対策を行っている。またJP Morgan ChaseはSWIFTと共に国際決済システムの実証に取り組んでいるほか、デベロッパーのAMISと共同で自社ブロックチェーンであるQuorumの開発を進めている。

ブロックチェーン技術は、データの改ざんが事実上不可能であることや分散台帳技術の導入による管理コスト低減が見込めることから、世界の有力銀行から注目を集めている。金融機関のあり方を大きく変えると言われているブロックチェーン技術は、個人投資家も注視しておくことがおすすめだ。

【参照サイト】Blockchain Investment Trends In Review

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木村つぐみ

海外ビジネス情報の翻訳、ライティングを幅広く手掛けており、HEDGE GUIDEでは暗号通貨・仮想通貨関連記事を担当しています。暗号通貨・仮想通貨の特に興味深い点は、貨幣の持つ共同幻想性を明るみに出したことだと思っています。初心者の方にも分かりやすい説明を心掛けていきます。