2021年のNFT取引量が、130億ドルを超えていたことが明らかとなった。米暗号資産メディアThe Blockが年間レポート内で公開している。
The Blockによると、2021年のNFT取引量は、2020年と比べて42,988%もの大幅な増加になったという。2020年の取引量は年間でも3,300万ドルだった。
NFT市場の特徴としては、マーケットプレイスOpenSeaの一強状態が続いていることにある。今回のレポートでも、2021年における取引量のうち、96%にあたる125億ドルがOpenSeaによって生み出されたものであることが報告されている。
NFT市場は、以前より一部サービスによる独占状態が続いてきた。4月に公開されたThe Blockのデータでは、NBA Top Shotの取引量が当時全体の約半分を占めていたことが報告されている。ユーザー数にいたっては、全体の90%を占めていた。
当時のデータに付随して、The BlockはNFT市場のピークが過ぎ去ったという見解を示していたものの、2021年は年間通して継続的にNFT市場に資産が流入している。OpenSeaの月間取引量も、1年の後半にかけて高い水準を維持していた。10月に公開されたNonFungibleによるNFTレポートでも、第三四半期だけで取引量が60億ドルを超えていたことが報告されている。
ユーザーの検索予測を示すGoogleトレンドでは、12月26日時点で米国のデータで「NFT」という検索ワードが「Crypto(暗号資産)」を上回ったことも明らかとなっている。
2021年は、イーサリアムのガス代が高騰した結果、他のブロックチェーンが台頭する「マルチチェーン」の時代となった。一方で、NFT市場はこの流れに乗らず、イーサリアム一択の状態が続いている。これは、NFTの一意性が関係していると言えるだろう。
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などのユーティリティトークンは、互換性のあるブロックチェーンであれば基本的に同じトークンとして扱われる。しかし、NFTは他のブロックチェーン上で発行されたものは、たとえ互換性があったとしても別のトークンとして定義すべきだ。
こういった要因から、2022年のNFT市場は引き続きイーサリアムを中心に成長していくことが予想される。
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