Zaif(ザイフ)で取引が開始された仮想通貨XYM(ジム)とは?ネムとの違いを解説

今回は、Zaif(ザイフ)で取引が開始された仮想通貨XYM(ジム)について、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. NEM(XEM)とSymbol(XYM)の違い
  2. Symbolプラットフォームのポイント
  3. XYMのユースケース
  4. まとめ

NEM(ネム)は2021年3月17日にCatapultと呼ばれる大型アップデートを完了しました。これにより、新たにSymbol(シンボル)という新たなブロックチェーンが誕生し、Symbol上で使用されるトークンとして仮想通貨XYM(ジム)が発行されました。

5月には日本の取引所Zaifで正式にXYMの取扱いが開始され、初日のXYMの取引量が世界1位となるなど、改めて国内ユーザーの注目度の高さが証明されています。今回は、Symbolと仮想通貨XYMについて解説します。

①NEM(XEM)とSymbol(XYM)の違い

そもそもNEM(New Economy Movement)プロジェクトは、個人や中小企業などにブロックチェーン技術とトークンエコノミーをより簡単に提供することを目的に、2015年にスタートしました。2016年には開発を主導するNEM財団がシンガポールで発足しています。

ブロックチェーン基盤の名称がNEM(ネム)であり、NEM上で使用可能な仮想通貨(暗号資産)がXEM(ゼム)となります。

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【引用元】:CryptoStream

そしてSymbolは、NEMブロックチェーンとは別の新しいブロックチェーンとして誕生しました。そのためNEMという1つの経済圏の中に「NEM(XEM)」と「Symbol(XYM)」という2つのブロックチェーンと2つの仮想通貨が存在しています。

NEMは個人開発者向けに作られていた一方で、Symbolは企業や公的機関向けのブロックチェーンでも活用できるように開発されました。そのためSymbolはパブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンのハイブリッド型となっています。

②Symbolプラットフォームのポイント

Symbolは、NEMのビジョンと特徴を引き継ぎつつ、エンタープライズのニーズに応えられるように性能と機能が強化されています。変更点や機能追加に関しては下記にまとめました。

NEM(ネム) Symbol(シンボル)
トークンの名称 XEM(ゼム) XYM(ジム)
ブロックチェーンタイプ パブリック ハイブリッド
(パブリック+プライベート)
コンセンサスアルゴリズム PoI PoS+
ブロック生成時間 1分 30秒
アカウント制限機能 なし あり
モザイク機能 あり あり
マルチシグ機能 あり あり(複数レイヤー)

中でも重要なポイントは、以下の5点です。

  1. コンセンサスアルゴリズムがPoI(Proof of Importance)から、PoS+(Proof of Stake+)へと変更された。
  2. 独自のプライベートネットワークを設定でき、特定のアカウントを制限できるようになった。
  3. ブロック生成時間が半減した。
  4. マルチシグ機能が複数レイヤーで可能となった。
  5. モザイクトークンの発行がネームスペースをレンタルしなくても発行できるようになった。

まず、コンセンサスアルゴリズムがPoIからPoSに変更されています。PoS+はPoS(Proof of Stake)の弱点である「トークン保有量の多い人が最も報酬を得られる確率が高くなる」という点を、「保有量が少なくても使用頻度が高く実際にエコシステム内での貢献が認められる人にも報酬を分配する」ことで、富の偏向を軽減する仕組みです。その為、PoSに「+」がつき「PoS+」となっています。

ブロック生成時間は半分に縮小されています。これは決済や送金などのユーザビリティに特に重要で、トランザクション処理の時間短縮に繋がり、実用性が格段に向上しています。

NEMプラットホームはパブリックチェーンとしてのみ利用可能ですが、Symbolチェーンはパブリックチェーンだけでなく、開発者や企業が独自にプライベートネットワークを設置することが可能です。パブリックチェーンでは管理者が不要で誰でもノードを設置してネットワークに参加できますが、プライベートチェーンはノードを制限して運用できるため、金融機関などセキュリティ面を重視する組織に最適です。Symbolは企業ニーズに対応可能なハイブリッド型のチェーンとなっており、ユースケースが大幅に拡大しています。

また、元々NEMが評価されていた機能が強化されています。例えばマルチシグアカウントの設定です。NEMのマルチシグでは、「3人のうち2人が署名したら送金可能(2of3)」とか「5人全員が署名したら送金する(5of5)」といった一層構造となっています。Symbolでは複数構造が可能で、例えば「〇〇課の3人のうち2人が署名」→「さらに役員5人全員が署名したら送金可能」といった企業の稟議書のような設定が可能です。

③XYMのユースケース

Symbolへとプラットフォームがアップデートにされたことで、決済サービスのみならず、DeFiやNFT分野への進出も期待されます。具体的にどのような利用が予定されているかについて解説します。

NFTの発行基盤・マーケットプレイス

Symbol上では既にNFTプラットフォーム「NEMBER ART(β)」が公開されています。NEMBER ARTは、SymbolウォレットとSymbolアドレス、最低クレジットとして10 XYMを保有していれば誰でも利用できるようになっています。

Symbol nft

5月20日には、サッカー界のレジェンド、ケニー・ダルグリッシュ氏とマンチェスター・シティの現役スター選手、リヤド・マフレズ氏のデジタルコレクタブルをSymbol上で発行することが発表されました。このようにSymbol上の経済圏が発展するとXYMの需要も高まることが予想されます。

Mijinの企業採用

Mijinは個人や中小企業、非営利団体などでも気軽にブロックチェーンに参加できるサービスで、既に世界88カ国300社以上に導入されています。このサービスの利用者はNEMプロジェクトのブロックチェーンを使用して、独自のサービス展開を行うことができます。

具体的には決済・送金などの金融関連、データストレージ、コンテンツ制作、資産管理、ポイント管理などネット上で可能なほぼすべてのサービスをブロックチェーン化することができ、トークンエコノミーへの参入障壁を著しく下げてくれるサービスです。

今回のSymbolプラットフォームへのアップデートに伴い、よりリアルユースの実用性が強化され、Mijinのようなサービスの利用拡大が予想できます。

DeFiへの進出

NEMプロジェクトはDeFi関連のサービスを提供する「Fantom Foundation(ファントム ファンデーション)」と提携しています。これにより、Symbol(XYM)とFantomの将来的な連携が予想されます。

FantomはオールインワンのDeFiプラットフォームを提供しており、ステーキングやレンディング、独自の合成資産を作成する機能やDeFi利用に便利なウォレットアプリなどを提供しています。DeFiはブロックチェーンと仮想通貨のユースケースとして近年最も成長している分野です。Fantomのクロスチェーン機能を活かして、XYMのDeFi分野への進出が予定されています。

④まとめ

Symbol(XYM)へのアップデートにより、処理能力・機能面で強化されています。エンタープライズの実用面との相性が良いため、様々な企業のブロックチェーン化にNEMプロジェクトが貢献する可能性は非常に大きいと感じます。Symbolプラットフォームがトークンエコノミーの基盤の一つとして地位を確立する事ができれば、仮想通貨XYMの価値上昇も見込めるでしょう。

現時点で国内の仮想通貨取引所でXYMを取扱っているのはZaifのみです。Symbolの将来性に期待でき、XYMへの投資を検討している方はZaifの口座を開設しておきましょう。

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中島 翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12