実はここにも!意外なNFTの使われ方

今回は、Web3.0とDAOをテーマに事業を行うFracton Ventures株式会社から寄稿いただいたコラムをご紹介します。

目次

  1. Uniswap V3
  2. ENS(Ethereum Name Service)
  3. Collab.Land
  4. まとめ

NFTは、Non-Fungible Tokenの略称で、日本語に訳すと非代替性トークンのことであり、「唯一無二のもの」を意味しています。NFT自体はこれ以上でもこれ以下でもありません。定義が抽象的なため、様々な活用の可能性があり、アイデアが重要となります。また、イーサリアムの創業者の1人であるギャビン・ウッド氏が共著したイーサリアムの解説書である『マスタリング・イーサリアム』のERC721(NFTを発行できる規格の1つ)のページを見てみると「Deed:証書」と書かれており、NFTが如何に抽象的な概念であるかが見て取れます。

NFTは「唯一無二のもの」を意味するので、アートやコレクティブのみを指している訳でもなければ、高額な値段がつく必要もありません。今回は、有名なサービスですがNFTを活用されていることがあまり知られていない事例をいくつか紹介していきます。

Uniswap V3

Uniswapは著名なイーサリアムベースのDeFiプロトコルの1つです。UniswapはDeFiの中でも分散型取引所(Decentralized Exchange;DEX)に分類されます。DEXとは、スマートコントラクトにより実装された中央管理者が不在でトークンの取引ができるDAppです。従来の取引所であれば、企業が仲介となりユーザーは取引を行うことができますが、DEXの場合は仲介となる機関はありません。

Uniswapの機能はSwapとPoolの2つがあります。ユーザーが持っているトークンのペアをPoolして、別のユーザーがトークンをSwapするというのが簡単な仕組みになります。ここで、自分の持っているトークンのペアをPoolすることを流動性提供、流動性を提供した人のことを流動性プロバイダー(LP)と言います。LPは流動性を提供した証としてLPトークンを受け取ります。

Uniswap V3以前では、流動性提供の範囲に制限はなく一律で同じように流動性が提供されおり、LPトークンとしてERC20トークン(Fungible Token;代替可能トークン)を受け取りました。一方で、2021年5月にローンチをしたUniswap V3では集中流動性という仕組みが実装され、LPが自分で価格帯の範囲をカスタマイズできるようになりました。これは、LPによって流動性を提供している価格帯の範囲が異なることを意味しており、LPは独自の範囲で流動性の提供を行っていることになるので、LPトークンとしてERC20トークンではなくNFTを受け取ります。

Uniswap V3において、各人がトークンのペアを提供する際に価格帯をカスタマイズしているので流動性は唯一無二のものになるため、NFTを用いているのです。

ENS(Ethereum Name Service)

ENSは2021年11月に利用者に対してENSトークンのエアドロップが行われたことで話題にもなりましたが、そもそもENSとはイーサリアムブロックチェーンに基づく分散型でオープンな幅広く利用可能なネーミングサービスのことです。ENSの用途の一つとして、長くて煩雑なイーサリアムアドレスを「〇〇.eth」のような形式で表すことができるというものがあります。以前の寄稿でも述べましたが、これは「〇〇.eth」という人間が読める名前をイーサリアムアドレス、ハッシュ値、メタデータなどの機械が読める識別子に対応させるというしくむになっています。ENSは、実際に他の誰かに対してトランザクションを実行したいときや自分のアドレスを教える際にも役に立ちます。

ENSは、ブロックチェーン上でのアドレス(住所)を人間にとって読みやすい表現に変えているという風に言い表すことができます。自分のイーサリアムアドレスは通常自分だけが持っている唯一無二のものであるので、そのアドレスに対応している「〇〇.eth」も自分だけのものであり唯一無二のものとして表現されるべきです。そのため、ENSではNFTを用いられるのは自然な発想となります。

Collab.Land

最後に、Collab.Landというサービスを紹介します。Collab.Land自体はNFTを直接的に活用はしていませんが、NFTを絡めた利用ができます。Collab.Landは、特定の人間のネットワークにとって固有のソーシャルスペースを作るために、暗号資産(仮想通貨)によるアイデンティティの力を利用したサービスです。具体的な用途としては、あるプロダクトのフィードバックやコミュニティでの開発を育てるために初期のトークンホルダーに向けてスペースを作ったり、コミュニティトークンを通してのみアクセスすることができる関係性を築いたり、スーパーファン(熱心なフォロワー)の階層に対して限定的なコンテンツや機会を提供することによる新しい方法で繋がったりすることができます。Collab.LandはDiscordやTelegramにおいてbotを追加することによって導入することができます。

Collab.LandとNFTを絡めると、「特定のNFTを持っている人のみが入ることができるスペース」を作ることができるというのがすぐに思い付くと思われます。実際に、Discordのコミュニティグループではそういった仕組みを実装しているコミュニティがあります。これは、所有するということが用途だったNFTに特定のグループへの「参加券・チケット」という用途が付与されることを意味します。NFTはクリエイターとコレクターやコレクター同士の繋がり、つまり絆として機能するのが魅力の1つであると考えますので、Collab.Landはその絆の側面をより強固にする可能性があると考えます。

出典:Collab.Land

まとめ

NFTは、必ずしもアートやコレクティブに限ったものではありませんし、高価な値段がつくこともありません。NFTはデジタル上で唯一無二の独自のものを表すことができる証明書ですが、NFTの性質上、希少性が生まれるが故に価値を持っていると感じる人たちが多くなり結果としてNFTの価格が高騰するということになります。NFTは投機的な側面だけではなく、先述のような実用的なNFTがありますので、今後も様々なNFTの活用法やアイデアに注目をしていきたいところです。

ディスクレーマー:なお、NFTと呼ばれる属性の内、発行種類や発行形式によって法令上の扱いが異なる場合がございます。詳しくはブロックチェーン・暗号資産分野にお詳しい弁護士などにご確認ください。

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【参照URL】ENS

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守 慎哉

守 慎哉

Fracton Ventures株式会社リサーチャー。DAO分野に強みを持ち、コモンズ・公共財におけるガバナンスのあり方などのリサーチを担当。その他CoinPost×あたらしい経済で立ち上げた「CONNECTV」の共同編集長をも務める。