世界的ゲームメーカーUbisoftとテゾスの連携が意味する事は?【ユービーアイソフトがNFTに参入】

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Ubisoftはゲーム好きの方であれば一度は聞いた事があるゲーム会社ではないでしょうか?Ubisoftはテゾスと連携してゲームアイテムのNFT化に乗り出し、NFTマーケットプレイスをローンチしました。Metaverse(メタバース)が話題になる中、最も近いところにあるのがゲームの世界です。Ubisoftは NFTは始まりに過ぎないと表明しており、真のMetaverseを構築する第一歩だとしています。そこで今回はUbisoftとテゾスの提携が意味するところについて解説します。

目次

  1. Ubisoftとは?
    1-1.Ubisoftの概要
  2. テゾスとは?
    2-1.テゾスの概要
    2-2.テゾスの特徴
    2-3.テゾスの仮想通貨としてのスペック
  3. 世界的ゲームメーカーUbiとテゾスの連携が意味する事
    3-1.人気作のGamiFi化が可能に
    3-2.UBIのMetaverseの構築も可能
  4. まとめ

①Ubisoftとは?

まず、Ubisoftの概要について解説します。

1-1.Ubisoftの概要

Ubisoftは1986年にフランスで設立されたゲーム会社です。アメリカのゲーム企業なども買収により拡大し、現在では世界第3位のゲームパブリッシャーとして知られています。

Ubisoftは世界100ヵ国近くで事業展開し、1万人以上の雇用者を抱える国際的な企業ですが、日本法人の「ユービーアイソフト株式会社」も1994年に設立されています。同社とスクウェア・エニックスは独占販売契約を締結しており、2009年以降はUbisoftのタイトルをスクウェアが販売しています。Ubisoftには、数多くの人気作がありますが、代表的なものとしては以下のようなものが挙げられます。

    Ubisoftの人気作

  • トム・クランシーシリーズ
  • アサシンクリード
  • Far Cryシリーズ
  • ブラザーインアームズ

Ubisoftの特徴として、アクションゲームやファースト・パーソン・シューティング、オープンワールドの分野で人気のソフトが多いという点が挙げられます。

また、映像制作スタジオUbisoft Motion Picturesを設立し、Ubisoftのゲームタイトルを基にした映画およびテレビ番組の製作を手がけるなど、ゲームからのスピンオフ事業も積極的に行っています。

②テゾスとは?

次にUbisoftのNFT事業に採用されたテゾスについて解説します。

2-1. テゾスの概要

テゾス(XTZ)はKathleen BreitmanとArthur Breitman夫妻によって開始されたプロジェクトです。2014年にホワイトペーパーが発表され、2017年にはスイスでテゾス財団の創設とICOでの約250億円の調達を行い、2018年にはメインネットが開設されています。

テゾスは主にヨーロッパ系の企業などで採用されることが多く、F1のマクラレーンやレッドブルのNFT、フランス大手銀行のソシエテ・ジェネラルによるセキュリティトークンの発行やフランスの中央銀行によるCBDCの実験などでも採用されています。

2-2. テゾスの特徴

テゾスの特徴を3つ挙げると、LPoSというコンセンサスサスアルゴリズム、エネルギー消費量の低さ、オンチェーンガバナンスによる自律的なアップデートがあります。

LPoS(リキッド・プルーフ・オブ・ステーク)はPoSの一種です。PoSアルゴリズムでは、トークンの保有量や投票によって選出されたノードがネットワーク上のトランザクションを承認します。LPoSの場合は投票力を任意のノードに委任する形を取ることで、誰もがネットワーク維持に貢献することができます。

テゾスのオンチェーンガバナンスはプロセスがプロトコルレベルで実装されているため、改良の提案や投票・採択による移行がすべてプロトコル上で実行される点に特徴があります。

2-3. テゾスの仮想通貨としてのスペック

テゾスの仮想通貨としての基本スペックは以下の通りです。

ティッカーシンボル XTZ
現在の価格(2022年12月22日現在) 493.25円
時価総額 約4311億円
時価総額ランキング 43位
循環サプライ 約8.71億枚
発行上限 なし
コンセンサスアルゴリズム LPoS

*2021年12月時点の情報です。最新情報に関しては各社サイトをご覧ください。

③世界的ゲームメーカーUbisoftとテゾスの連携が意味する事

最後にUbisoftとテゾスのパートナーシップについて、考察してみたいと思います。

3-1. 人気作のGamiFi化が可能に

Ubisoftはテゾスと提携し、Ubisoftの人気ソフトの一つである「ゴーストリコン・ブレイクポイント」のNFT「ディジット(Digit)」を開発します。Digitはゲーム内で利用可能な武器や衣服、乗り物などのアイテムとして、「Ubisoft Quartz」というNFTマーケットプレイスで売買できます。この取り組みはベータ版としてアメリカやヨーロッパなどの地域限定で開始されています。

Digitの特徴として、各NFTアイテムにシリアルナンバーを表示させることができ、シリアルナンバーはゲーム内でも表示されます。これにより、eスポーツのゲームチャンピオンが利用したアイテムにプレミアムがつくなど、NFTに価値を与える役割を果たします。またゲーム内のコレクタブルアイテムとしての機能を有し、各プレイヤーにオリジナルのエクスペリエンスをもたらすことができます。さらにはUbisoftから独立したプラットホームで所有権の証明も可能となっており「Rarible」や「Objkt.com」といったプラットホームでも売買が可能となります。

しかし、Ubisoftのブロックチェーン関連の取り組みはまだ始まったばかりで、ゲームアイテムのNFT化とUbisoft Quartzのローンチは始まりに過ぎないとされています。

3-2. UBIのMetaverseの構築も可能

Ubisoftの構想として、ゲームアイテムのNFT化の次はMetaverseの構築を考えているようです。実際に世界的に人気のあるゲームタイトルの多いUbisoftが、シリーズに分散しているゲームタイトルを一つにまとめてMetaverse化する事が考えられます。

例えば数多くのゲームタイトルが発売されているトム・クランシーシリーズをひとつのMetaverseとして作り上げるだけでも、世界中のFPSファンが継続的にアクセスすることが予想されます。

GamiFi化されたMetaverseの要件として、ゲームアイテムがNFTとして取引できることはもちろん。ゲーム内でマネタイズができるP2E(プレイトゥアーン)の導入も見込まれます。例えばプレイ自体は無料とすることで多くのユーザーを取り込み、NFTアイテムの販売から得られる収益を原資に倒した敵の数による報酬や、ミッションをクリアすることによる報酬制度など、ゲームプレイを収益に替える仕組みが考えられます。

また、ブロックチェーンMetaverseで一般的に行われているLANDの販売などもあります。ただし、数あるMetaverseプロジェクトの中でポジショニングを工夫する必要があるでしょう。

④まとめ

ゲームのGamiFi化は、いまやほとんどのゲーム会社が議論していると言ってても過言ではない状況です。しかし、どのゲーム会社が最初に既存の人気ゲームのGamiFi化に成功するかは非常に興味深いものがあります。Ubisoft Quartzのローンチの発表があった際にXTZが急騰したように、今後Ubisoftの取り組みが展開を迎える時に、XTZの価格動向も注目していきたいと思います。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12