初心者が10万円を原資に暗号資産に投資するなら?元トレーダーがおすすめの投資法を開設

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証券会社を経て、仮想通貨(暗号資産)取引所でトレーディング業務に従事した後、現在は独立して仮想通貨取引プラットフォームのアドバイザリーや、コンテンツ提供事業を運営する中島翔氏のコラムを公開します。

目次

  1. 元手10万円の投資リターンがどれくらいかを知ろう
  2. 日経平均、ドル円、ビットコインのチャート比較
  3. 暗号通貨FXを始める前に
  4. 暗号資産FXの戦略とポイント
    4-1. 中長期的な値上がりを期待して保有する場合
    4-2. 短期的なトレードで利益を出したい場合
    4-3. 暗号資産FXでレバレッジをかける際の注意点
  5. 暗号資産現物投資の戦略とポイント
  6. 10万円で投資するなら自分にあった投資法で

先日あるニュースで、特別定額給付金10万円の使い道に関するアンケートで「投資資金」が大きな割合を占めていることが取り上げられました。「給付金の一部が株式市場に流れ込んでいる可能性がある」という一文はインパクトがあり、ご存知の方も多いかもしれません。

今回のコロナショックがどれほど人々の家計に影響を及ぼしているかは言うまでもありませんが、資金が目の前の生活費用ではなく投資に向けられた背景には、将来に対する不安増大があると考えられます。

より詳細には、投資の中でも「暗号資産FX」を選択している層も一定の割合でいるようです。せっかく給付金を頂いたのだからと、値動きの大きい暗号資産に宝くじ的な感覚で投資している人も多いのかもしれません。

今年3月以降、暗号資産取引所や証券会社の口座開設数の増加傾向が続きました。新型コロナウィルスをきっかけに「貯蓄から投資へ」の流れが加速した格好となっています。ここでは給付金を使って暗号資産に投資をする場合に考えられる、投資方法をいくつかご紹介したいと思います。

①元手10万円の投資リターンがどれくらいかを知ろう

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最初に思うことは「10万円を投資するとどのくらい増やすことができるか」という点かと思います。

銘柄にもよりますが、株式投資であれば数十%のリターンが期待できるでしょう。債券投資なら数%程度となりローリスクローリターンです。FXならレバレッジをかけられるので数十%のリターンも期待できますが、ハイリスクハイリターンになる可能性があります。そして暗号資産の場合は、数日間で数十%動くことも、時には2倍・3倍に上昇するケースさえあります。

もちろん、どれがいいかは人それぞれになることは大前提です。しかし、特に手元資金に困っておらず、暗号資産に興味を持っている人にとって、給付金は暗号資産FXに挑戦してみる良い機会になるでしょう。

例えば米国でも1,200ドルの給付金が支給され、暗号資産取引所への1,200ドルの入金件数が増加したそうです。泡銭を得た事で、大きなリターンを期待してリスクを取る投資家が増えたということでしょう。

②日経平均、ドル円、ビットコインのチャート比較

それでは投資商品の実際のチャートを見てみましょう。以下の図は、日経平均株価(青)、ドル円(赤)、ビットコイン(水色)のチャートです。

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縦軸の騰落率を表すパーセンテージをご覧ください。これは2019年の年初を100として、どのくらい値動きがあったかを示しています。ドル円は上下5%程度の幅となっており、日本株は15%前後の値動きが発生しています。

ビットコインの場合は190%という驚異的なリターンを出しており、値幅がどれだけ大きいかが視覚的に理解できると思います。裏を返せば、190%下落するリスクもあることに留意しましょう。

③暗号通貨FXを始める前に

特別定額給付金の10万円を貰ったと言っても、その方の生活環境において挑戦すべきではない方も存在します。

挑戦できる方はあまり資金繰りに困っておらず、10万円は無くなっても生活に支障がない人と言えます。投資で安定して利益を出し続ける条件は「心理的な余裕を持つこと」です。心理的に余裕がない状況で生活資金で投資を行う人は、ちょっとした損切りができずに塩漬けをしたり、正常な投資判断ができなくなって負けるパターンが多くなります。

そのため「元々無いお金だから」というスタンスで、投資の勉強をするぐらいの気概で暗号資産FXに挑戦するのがいいでしょう。

④暗号資産FXの戦略とポイント

暗号資産FXと言っても必ずしもレバレッジ取引を行う必要はありません。自分自身がどのくらいの期間でどのくらい増やしたいのかという視点から、取引方法を考えていくのが得策です。そのため暗号資産FXの取引方法について、複数に分けて解説したいと思います。

4-1. 中長期的な値上がりを期待して保有する場合

中長期的に暗号資産を保有して値上がり益を取っていきたいという投資家の場合、あえて暗号資産FXを選択する必要性はないでしょう。

FXの場合はポジションを保有するためのスワップコストがかかります。そのためポジションを長期的に持つとコストがかかる分不利になるため、現物で暗号資産を保有する方がベターです。

覚えて頂きたいのは、中長期的な投資の場合「時間分散」の観点が重要になることです。10万円を受け取って一度に全額投資するよりも、「いくら下がったらいくら買う」と決めて投資を行う方法をおすすめします。平均単価を下げながら、負けにくい投資を行うことを意識して投資すると良いと思います。

暗号資産であれば手堅く投資していくことで2倍も3倍も狙えるようになります。何よりも負けにくい投資をすることが大切です。10万円は頂いたお金ですが「捨て金ではない」と意識しましょう。

4-2. 短期的なトレードで利益を出したい場合

短期的なトレードを行いたい場合は暗号資産FXが有効です。

現物取引と暗号資産FXは意味が全く違います。現物取引は自身の資産の範囲内でしか取引ができず、実際の資産(暗号資産)を保有します。

対する暗号資産FXは実際の資産は行わず、ポジションを保有して価格の変動価値を受け渡しする「差金決済取引」です。レバレッジ取引は自身の資産以上の取引が可能(レバレッジ取引)であり、仮に4倍のレバレッジ取引を行うと10%の価格上昇で、元金の評価額は40%増加することになります。

先ほどのチャートを見ても、レバレッジをかけてビットコインのポジションを長期的に保有するのはかなり難しいことはご理解頂けるでしょう。

25%の値幅が出ると元金が100%変動することになります。ポジションと価格動向が同じ方向性であれば良いですが、逆方向の場合はすぐに資産を失うことになります。

短期であっても同様です。暗号資産FXでトレードを行う場合は、リスク管理に十分注意するようにしましょう。

4-3. 暗号資産FXでレバレッジをかける際の注意点

次にレバレッジをかけてトレードする場合は通貨数を分ける必要はないと思います。その代わりどれだけの損失が出たら撤退するかという、「損切り」の条件を明確に定めてトレードすることが大事です。これを徹底しないとすぐに自身の資産を失うことになるでしょう。

レバレッジ取引を行う場合、GMOコインは初心者でも使いやすい取引所と言えます。GMOクリック証券のFXネオというのは日本でもトップクラスのFX会社で、アプリのインターフェイス等見やすく使いやすいと定評があります。暗号資産を取り扱うGMOコインのアプリもFXネオと同様の構成となっているため使いやすくなっています。

【関連記事】GMOコインの口コミ・評判・口座開設

またGMOコインは取引所(レバレッジ取引)と暗号資産FX取引の両方が提供されています。2つはそれぞれレバレッジを使用できる点では一緒です。2つのツールを併せて利用できることはGMOコインのメリットですが、取引所(レバレッジ取引)と暗号資産FX(2ウェイプライス)の違いは覚えておきましょう。

まず、GMOの取引所(レバレッジ取引)は以下のように板取引で利用できるものです。板を介してユーザー間で取引を行います。

GmoCoin

次に暗号資産FXは、以下のように「買値」と「売値」が提示された2ウェイプライス方式を採用しています。暗号資産FXの取引相手はGMOコインであり、価格はGMOコインが設定しています。「買値」と「売値」に差(スプレッド)があり、このスプレッド部分が取引所の収益源となるため、実質的な手数料となっています。

GMOCoin2

値動きが大きい商品にレバレッジをかけるのはなかなか勇気がいることです。短期トレードで利益を出し続けるのは難しいものでもありますが、増える場合は一気に殖やすことも可能です。これまでFXを行っていたりする方は一度挑戦してみてもいいでしょう。

⑤暗号資産現物投資の戦略とポイント

中長期的に現物投資を行う場合を想定して、筆者の個人的な見解も交えて一つの投資方法をご紹介したいと思います。せっかくであれば様々な種類に分散して保有する、暗号資産のポートフォリオを作ってもらうと良いかもしれません。

現在であれば、ビットコインとイーサリアムの2強状態となっています。この2つの資産の比重を高めつつ、その他の暗号資産(アルトコイン)を少額ずつ購入して保有することも一考です。

ビットコインやイーサリアムの強さはある程度顕著に現れていますが、アルトコインは何かをきっかけに注目を集めて急騰することもあるため、予測しきれないマーケットです。一方で価値がないと思われると、取引量が枯渇して底無し沼のように下落することもあります。

投資でよく言われるように、一つの銘柄に集中して投資しないようにする事が暗号資産でも重要になります。短期トレードであればその通貨のみでも対応できるかもしれませんが中長期的に保有する場合は、その暗号資産そのものの価値を期待して購入するものになります。

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そのため分散投資という考えは持っておいて損はないでしょう。日本で一番銘柄数が多いのは「Coincheck」です。Coincheckでは国内トップとなる13種類の暗号資産を取り扱っています。もしも長期的に保有する投資であればCoincheckの口座は開いておいて損はないでしょう。

【関連記事】Coincheck(コインチェック)の口コミ・評判・口座開設

⑥10万円で投資するなら自分にあった投資法で

最後に、基本的なことをお伝えしたいと思います。

トレードは自分に合った無理のない範囲で行いましょう。心理的な負担が大きい場合はどんなに考えがいいと思っても負けることは往々にしてあります。暗号資産に投資をするとしても、どんな目的でどの程度まで殖やしたいのかを明確にしてから取り組む方が良いでしょう。

何事も計画を決めてそこからどのように動くかが大切なことであり、トレードにも通ずることです。特別定額給付金は良いきっかけにもなると思いますので、挑戦したい方はぜひ挑戦してみてください。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12