仮想通貨Chainlink(チェーンリンク:LINK)徹底解説!スマートコントラクトと外部情報を結びつける、分散型オラクルネットワーク

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証券会社を経て、仮想通貨取引所でトレーディング業務に従事した後、現在は独立して仮想通貨取引プラットフォームのアドバイザリーや、コンテンツ提供事業を運営する中島翔のコラムを公開します。

目次

  1. Chainlinkの特性
    1-1. ミドルウェアとしての役割
    1-2. ブロックチェーン以外へのミドルウェアとしての起用
    1-3. SWIFT(国際銀行間通信協会)との連携
  2. Chainlink(チェーンリンク)のユースケース
  3. LINKトークンの特性
  4. Chainlink(チェーンリンク)の創設者:Sergey Nazarov氏
  5. Chainlink(チェーンリンク)の課題
  6. Chainlink(チェーンリンク)を購入できる取引所
    6-1. Binance
    6-2. OKEx
    6-3. Bithumb
  7. Chainlink(チェーンリンク)の今後の展望

仮想通貨への投資を検討している方にとって、市場に存在する様々な仮想通貨の違いがわからない方も多いと思います。仮想通貨の多くは、現実社会の課題を解決するために構築された固有の「ユーティリティ(利用用途)」があります。各通貨の「ホワイトペーパー」には開発コンセプトがまとめられており、最終的なゴールに向けた開発ロードマップが示されています。投資家はホワイトペーパーや実際の開発状況を参考にしながら、総合的に投資判断しています。

このシリーズでは、個別の仮想通貨が「何の目的のために作成され、どのような特性があるのか、将来性が見込めるのか」について深堀しています。今回は、Chainlink(チェーンリンク:LINK)という通貨を説明したいと思います。

①Chainlinkの特性

Chainlinkはアメリカのスマートコントラクト社によって設立され、2019年5月にメインネットがローンチしました。Chainlinkは外部システム上で管理される情報を、ブロックチェーンネットワークに持ち込む「オラクル」の分散型ネットワークを構築しています。それでは、Chainlinkの特性について3つに分けて説明していきたいと思います。

1-1. ミドルウェアとしての役割

ミドルウェアとは、ソフトウェアとハードウェアの中間処理を行うもののことです。Chainlinkは、スマートコントラクトをオフチェーン(ブロックチェーンの外部の情報)に繋ぐためのミドルウェアとして開発されています。オフチェーンだけでなく、異なるブロックチェーンやdAppの中間処理役としても機能します。

1-2. ブロックチェーン以外へのミドルウェアとしての起用

スマートコントラクトは、様々な契約をプログラム化して自動的に実行する技術です。今までスマートコントラクトは外部の現物資産との接続が困難でしたが、Chainlinkにより現物資産との結びつきが可能となります。例えば、Chainlinkを使用すれば、WebアプリケーションやPayPal、クレジットカードの銀行決済といった金融・証券・保険・貿易などの実生活のあらゆる分野で、スマートコントラクトと既存データ(市場データ・銀行システム・商品データ)を安全に管理することができます。

1-3. SWIFT(国際銀行間通信協会)との連携

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SWIFTとは、世界各国の金融機関に電子的な送金メッセージの伝送サービスを提供している機関です。様々な国際送金がSWIFTを通じて行われています。2016年に開催されたSibosと呼ばれる世界各国の金融機関関係者が集う国際会議で、SWIFTはChainlinkを使用したPoC(概念実証)を発表しました。バークレイズ、BNPパリバ、フィデリティ、ソシエテジェネラル、サンタンデールの金利データを用いて、債券の売買と配当付与をスマートコントラクトで処理しました。

②Chainlink(チェーンリンク)のユースケース

Chainlinkのプロジェクトチームは、スマートコントラクトと外部情報をリンク(繋ぎ合わせる)する主な働きにおいて、44のユースケースを打ち出しています。
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44のユースケースには、金融、送金、決済、保険、企業データベース、サプライチェーン、賭博、行政、個人情報、衛星やAIとの連結などが含まれています。

例えば、スマートコントラクトを既存のPayPalや銀行システムに接続し、金融プロセスの情報をシームレスに統合できます。金融機関の送金レートを取得し、国境を越えた決済機能のために国際決済メッセージング標準SWIFTを利用することもできます。

チェーンリンクは、スマートコントラクトをスマートカーのIoTセンサーデータに接続して、自動車保険を合理化できます。今後IoTが普及するにつれて、サービスの垣根を越えた様々なシステムやアプリケーションがスマートコントラクトに連結することで、利便性の向上と便利な新サービスの開発が可能になります。

③LINKトークンの特性

Chainlinkの分散型ネットワークにおいて、LINKトークンは担保価値として使用されます。ノードは作成するスマートコントラクトと同等のLINKトークンを保有する必要があります。つまり、スマートコントラクトの経済圏が大きくなるほど、高価値のLINKノードが必要になります。

アプリケーションの実用シーンでは、スマートコントラクトの作成者は、スマートコントラクトの価値に応じてノードに一定以上の評価とLINKトークンの担保量を求めることになります。100万ドルの債券は、担保が100ドル程度のノードを選択することはないでしょう。hainlink(チェーンリンク)の創設者セルゲイ・ナザロフ氏は、金融の世界で高額のスマートコントラクトが作成され、それぞれが分散型オラクルを必要とする未来を見据えています。

④Chainlink(チェーンリンク)の創設者:Sergey Nazarov氏

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この方は、両親の影響もあり5歳からコンピューターを学習していたそうです。ニューヨーク大学を卒業後に起業家を目指し、大学時代の教授が設立した企業でテクノロジー関連のスタートアップをサポートされたようです。その後、小さいころから学んでいたコンピューターとプログラミングの技術を活かし、ブロックチェーンと外部情報を繋ぐ仕組みであるChainlinkを開発しました。

⑤Chainlink(チェーンリンク)の課題

Chainlinkの利点についてお伝えしてきましたが、課題についても解説したいと思います。

Chainlinkはまだ市場でトップ通貨としての地位を確立していません。価格変動が起こりやすいため、長期的な目線で投資する方がベターでしょう。2019年には、米国の仮想通貨取引所コインベースに上場した際に、LINKトークンの価格は2倍に高騰し、数週間に渡って乱高下しました。

また、Chainlinkを導入する企業などの動向についても確認した方がいいでしょう。利用する企業が増加すれば増加するほどChainlinkの価値は高まると言えます。

仮想通貨である以上、規制上のリスクは常につきまといます。特にChainlimkは2017年にICO(イニシャルコインオファリング)で3,200万ドルを調達しました。今後、トークンセールに対する規制上の情勢が変化する可能性はゼロではないため、当局の動向に気を配るようにしましょう。

⑥Chainlink(チェーンリンク)を購入できる取引所

次にChainlinkが購入できる主要な仮想通貨取引所をご紹介したいと思います。Chainlinkは日本国内の仮想通貨取引所には上場していないため、海外の取引所でしか購入ができません。購入する際には、「ビットコイン」や「イーサリアム」を海外取引所のウォレット口座に送金した後に、Chainlinkを購入するというフローとなります。

6-1. Binance

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最初は世界トップの仮想通貨取引所Binanceです。マルタを拠点としている大手仮想通貨取引所のひとつでり利用者が多く、取引量は最大です。Binanceは日本のTAOTAOと提携しており、「日本居住者の取引を段階的に制限していく」方針を示しました。Binanceが日本に正式に参入するのを待ちましょう。

6-2. OKEx

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次にご紹介するのは香港のOKExです。2014年に創業されたこちらの取引所は、上記BinanceやHuobiと並ぶ、中国の三大仮想通貨取引所と言われています。現在は香港を拠点にサービスを提供しており、取引所は英語と中国語(簡体字と繁体時)のみの対応で日本語には非対応となっています。

6-3. Bithumb

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最後にご紹介するのは韓国を拠点としているBithumbです。昔は日本語にも対応していましたが現在では日本語対応は行っておりません。日本居住者はパスポートでKYCを行わないと入出金ができなくなっています。またBithumbの注意点としては2018年に2度もハッキング被害にあっており、セキュリティ面が弱いと言わざるを得ません。そのため、メインで利用するよりは、いくつか資産を分散させる中の一つとして利用するのが懸命でしょう。

ここまで海外の仮想通貨取引所を3つご紹介しました。現在、仮想通貨取引所に対する規制は徐々に厳しくなっており、規制当局の意向によって取引所の運営方針が急変することもあるので、チェックを怠らないようにしてください。

⑦Chainlink(チェーンリンク)の今後の展望

最後にChainlinkの将来性についてコメントしたいと思います。SWIFTをはじめ、様々な企業がChainlinkの技術を支持しているため、今後ますますChainlinkを使用したシステムが増えると期待されます。

2019年6月には、GoogleがChainlinkの技術を自社の「BigQueryデータサービス」に統合しました。BigQueryクラウドデータをChainlinkに経由させ、予測市場や先物契約等のアプリケーション開発に活用しています。

同6月に、Oracle(アメリカのIT大手)のスタートアップ部門「Oracle Blockchain Platform」でChainlinkの分散型オラクル技術を使用できるよう連携を行いました。Chainlinkを使用することで、スマートコントラクトと外部のデータソースや支払いシステムと接続することを目的としています。

着実に基盤となる提携企業は決まってきています。ブロックチェーンアプリケーションが実用化するにつれて、スマートコントラクトで使用する資産価値がどのようなペースで拡大していくのかが、投資時期を見定めるポイントとなりそうです。

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中島 翔

中島 翔

学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12