今回は、Lens Protocolについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。
目次
- WEB3ソーシャルメディアとは?
- WEB3ソーシャルメディア・プラットフォームのLens Protocol
2-1.Lens Protocolとは?
2-2.Lens Protocolの目的
2-3.Lens Protocolの機能
2-4.Lens Protocolの特徴 - まとめ
DeFiレンディングプロトコルであるAave(アーヴェ)は、WEB3(分散型ウェブ)ソーシャルメディアプラットフォーム「Lens Protocol(レンズ・プロトコル)」を2022年2月8日に公開しました。Lens Protocolを利用することで、誰もが分散化されたソーシャルネットワークを構築でき、エンドユーザーはコンテンツのデジタルIDを自身で所有・管理することができます。TwitterやFacebookなどの中央集権的なSNSとは一線を画す、分散型の方法として注目を集めています。今回はLens Protocolの概要や特徴を解説します。
②WEB3ソーシャルメディア・プラットフォーム-Lens Protocol
次に、分散型ソーシャルメディア・プラットフォームであるLens Protocolについて解説します。
2-1. Lens Protocolとは?
Lens Protocolとは、Aaveチームが2022年2月8日に公開したオープンソースの分散型ソーシャルメディアプラットフォームです。名前はレンズ豆(Lens Culinaris)に由来しており、オープンソースコードを使ってコミュニティが自然発生的に構築するビジョンを反映していると考えられます。
Lens Protocolはノンカストディアル(非中央集権的)な形態で運営されるプラットフォームです。誰もがパーミッションレス(無許可制)でWeb3ソーシャルプラットフォームを簡単に構築でき、コンポーザブル(構成利用が可能)な性質を持つため、分散型ソーシャルグラフを形成できます。ソーシャルグラフは、ソーシャルネットワーク内の友人、グループ間の関係性を示すマップです。Web3では個別のSNSの枠を超えて、自分のソーシャルグラフを構築できるようになる、という世界観に基づいています。
Lens Protocolは現在、Polygon(ポリゴン)の「Mumbai」テストネット上で稼働しており、α版メインネットの立ち上げ時期はまだ公表されていません。
2-2. Lens Protocolの目的
Lens Protocolを開発する元AaveのCEO兼創設者スタニ・クレチョフ氏は、「プロフィールや不随する関係性をブロックチェーン上に記録できるソーシャルメディアプロトコル(本質的にはソーシャルグラフ)を構築したかった」とTwitter Space上で語っています。そこでは、パーミッションレスな方法でクリエイターとオーディエンス間でコンテンツを配信することができます。パーミッションレスとは、日本語で「無許可制」と訳され、特定の管理主体がなく、誰でもアクセスできる仕組みを指します。
現在のソーシャルメディアでは、写真やツイートといったユーザーが作成するコンテンツに付随するデータが販売されていることが問題視されています。Lens Protocolはユーザーが商品となっている課題を解消するために構築されており、クリエイターがコンテンツの配信方法を選択し、その所有権を保護するシステムとしての機能を備えています。
2-3. Lens Protocolの機能
現在公開されているLens Protocolの主な機能は下記の通りです。
- プロフィール作成(Profile)
- コンテンツ投稿(Publication)
- コメント(Comment)
- リツイート(Mirror)
- コンテンツ収集(Collect)
- フォロー(Follow)
- ガバナンス(Built-in Governance)
- コミュニティ(Community Multisig)
2-4. Lens Protocolの特徴
①パーミッションレス
Lens Protocolではパーミッションレスでノンカストディサル(非保管型)のソーシャルメディアプロフィールとソーシャルグラフを保有できます。
②DAO(分散型自立組織)ツールの構築が可能
Lens ProtocolはWeb3を前提としているため、ソーシャルアプリや分析プラットフォーム、検証システム、さらにはガバナンス(投票)といったDAO(分散型自立組織)ツールなどの構築も可能となっています。
③プロファイルをNFTとして取引・保管可能
Lens Protocolには、プロフィールの作成やコメント、投稿やその再共有といった、既存のソーシャルメディアプラットフォームと同様の機能があります。これらは全てNFT(非代替性トークン)として発行でき、所有・利用・売買・収益化に利用できるようになっています。Lens Protocolでは、プロフィールにウォレットアドレスを紐付けできるので、クリエイターがコンテンツから収益を得ることもできます。
従来のソーシャルメディアプラットフォームでは、投稿したコンテンツはプラットフォームを管理するサーバーに保管され、自由に取り出したりできず、サービスが終了した場合はデータが消失してしまうという仕組みでした。Lens ProtocolではコンテンツをNFTとしてオンチェーン(ブロックチェーンに情報を記録すること)で管理できるので、サービスが終了してもデータが消失する心配はありません。
③まとめ
Lens Protocolは、プロフィールNFTを活かしたトークンエコノミーやユーザーのマネタイズ、コミュニティ形成、NFT保有者限定の投票機能など、従来のソーシャルメディアプラットフォームとは一線を画した機能が搭載されています。
Lens Protocolが公開されたことで、Web3.0としてのソーシャルメディアサービスの可能性がさらに広がったと言えます。分散型ソーシャルメディアは今後もますます発展していく分野であると考えられるため、引き続きその動向に注目していきたいと思います。
Lens Protocolを利用するなら、ウォレットアドレスの使い方を覚えておくと良いでしょう。まずは、仮想通貨取引所GMOコインでイーサリアムを購入し、メタマスクウォレットへ送って活用してみてはいかがでしょうか?GMOコインはイーサリアムの出庫手数料が無料なので、使い勝手が良いと思います。
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中島 翔
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