遂にローンチしたRakuten NFTの全貌、取り扱い商品について解説

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今回は、遂にローンチしたRakuten NFTについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. 楽天グループとは?
    1-1.楽天グループとは?
    1-2.楽天ポイント経済圏
  2. 楽天グループと仮想通貨
  3. Rakuten NFTとは
    3-1.Rakuten NFTの概要
    3-2.Rakuten NFTのマーケットプレイスの仕組み
    3-3.Rakuten NFTの特徴
    3-4.今後の展開
  4. Rakuten NFTの取り扱い商品
  5. まとめ

22年2月、楽天グループ株式会社はNFTマーケットプレイス兼販売プラットフォームである「Rakuten NFT」をローンチしました。Rakuten NFTは、楽天IDでログインして、クレジットカード決済でNFTを購入し、楽天ポイントを貯めることができる特徴があります。Rakuten NFTでは今後、人気コンテンツとのコラボ作品の販売などを予定しているということです。

国内で1億人以上の会員数を誇り、巨大な経済圏を持つ楽天グループの参入は、NFT業界に大きな変革をもたらすことが期待されています。そこで今回は、遂にローンチしたRakuten NFTの全貌について解説します。

①楽天グループとは?

まずは、楽天グループとはどのような会社か、その基本的な事項を解説します。

1-1. 楽天グループとは?

楽天グループは1997年5月1日に開設されたオンラインショッピングモール「楽天市場」を皮切りにインターネットサービスで事業を拡大し、2000年にはジャスダック上場、インターネットサービスのみならずフィンテックやモバイルなどの分野にも進出しています。

2004年のプロ野球再編問題をきっかけに仙台を拠点とする東北楽天ゴールデンイーグルスを結成し、NBAゴールデンステートウォリアーズやリーガエスパニョーラのFCバルセロナのスポンサーを務めるなどスポーツ領域への投資にも熱心な企業として知られています。

1-2. 楽天ポイント経済圏

楽天グループの経済圏は多岐に渡るグループ会社に支えられており、日常消費領域から金融、モバイル通信とLTVの大きな領域を抑えています。特に、2,200万人が所有する楽天クレジットカードから発行される楽天スーパーポイントは、お得なポイント還元と割引システムにより、顧客の囲い込みに貢献しています。例えば、楽天ポイントを楽天証券で使用できるようになったことがきっかけで、楽天証券の口座数は大幅に伸びました。

②楽天グループと仮想通貨

次に楽天グループと仮想通貨の関係性について解説します。

楽天は2016年にブロックチェーン技術に特化した研究開発組織「楽天ブロックチェーンラボ」を英国のベルファストに開設し、東京も含めて20名以上のチームを構成しました。当チームは、楽天社内およびパートナー企業とブロックチェーン技術の活用事例を創出するべく活動しています。

2019年からは「楽天ウォレット」で仮想通貨(暗号資産)の取引サービスを提供しています。楽天ウォレットは楽天グループが開発した仮想通貨ウォレットであり、同時に金融庁に登録された第1種暗号資産交換業者でもあります。

仮想通貨取引所・販売所の楽天ウォレット
楽天ウォレットはモバイルアプリの提供に特化しており、現物取引とレバレッジ取引に対応しています。楽天銀行との提携により法定通貨の入金もスムーズにできるほか、楽天ポイントを仮想通貨に交換できるなど、楽天グループとのシナジー効果が活かされています。

③Rakuten NFTとは

次に、Rakuten NFTについて、解説します。

3-1. Rakuten NFTの概要

Rakuten nft4
Rakuten NFTとは、NFT市場の民主化を目指して開発されたサービスです。販売プラットフォームとNFTマーケットプレイスの機能を併せ持っています。

知的財産権であるIPを所有するアーティストによる、NFTの発行及び販売サイトを開設できるほか、プロスポーツ・ゲーム・音楽・アニメ・マンガ・アイドルなどのコンテンツを題材としたNFTの個人間(P2P)売買が可能です。

Rakuten NFTは、楽天IDがあれば誰でも利用が可能で、日本円決済やクレジットカード決済ができます。楽天ポイントでの決済も可能となっています。

3-2. Rakuten NFTのマーケットプレイスの仕組み

出品者となる「IPホルダー」が販売プラットフォームを設置し、スポーツ、アイドル、漫画・アニメ、ゲーム、アートなどのコンテンツをNFTとして出品できます。ファンやコレクターは、出品されたNFTを楽天IDで購入できます。

購入したNFTは、Rakuten NFTのマイページにコレクションすることができます。さらに、ここで購入したNFTをC2C(Consumer to Consumer/個人間)で取り引きできる機能もあり、転売も可能です。

3-3. Rakuten NFTの特徴

①楽天IDを利用したクレジットカード決済が可能

Rakuten NFTでは、仮想通貨ではなく法定通貨を利用し、決済時には「楽天ポイント」が貯まります。つまり、Rakuten NFTは、NFT初心者のコンテンツファンやコレクターにとっても分かりやすく使えるサービスだと言えます。

②プライベート・ブロックチェーンを採用

Rakuten NFTではこれらの仕組みを楽天のプライベートチェーンを利用して構築しています。楽天IDをもつユーザーだけが利用できる形を採るため、限定された範囲のネットワークの中で、NFTの売買が行われることになります。

楽天のプライベートチェーンは、トランザクションを処理するために膨大な電力消費を必要としないため、環境への負荷が少なくなっています。また、処理速度も速くなり、一般的なWebサービスに近いユーザー体験を提供できる利点があります。

そのほかにも、楽天が管理者となるため、ユーザーとなるIPホルダーやファンの要望を反映しやすく、セキュリティ面の責任の所在が明確であるなど、プライベート・チェーンならではの特徴があります。

③関連サービスの利用特典としてNFTを配布

楽天エコシステムには、70以上の関連サービスが存在しますが、Rakuten NFTはそれらと連動した施策を展開する予定です。具体的には、「楽天チケット」「楽天コレクション」「Rakuten TV」などの利用特典としてNFTを配布すること、スポーツ試合の観戦記念として、NFTを配布することなどを構想しているということです。

④IPホルダーがホワイトレーベルで出店ができる

Rakuten NFTでは、マーケットプレイスに出店するIPホルダーがホワイトレーベルで出店可能です。IPホルダーが自らのブランド力を最大化できるよう、コンテンツに合わせてUI/UXをカスタマイズした独自のサイトでプロダクトを販売することができます。

3-4. 今後の展開

Rakuten NFTは23年以降、下記の開発を進めることを予定しています。

  • 個人ユーザーによるNFTコンテンツの発行・販売サービスの提供
  • 国内外のIPホルダーが保有するNFTの発行
  • グローバルを含むマーケットへの展開
  • 決済方法の多様化

④Rakuten NFTの取り扱い商品

Rakuten NFTでは、2月25日21時からアニメ「ULTRAMAN(ウルトラマン)」のCGアセットを使用したNFTや、漫画家の黒鉄 ヒロシ氏の描き下ろしイラストを含む、競馬がテーマの「黒鉄ヒロシGI激闘史『2010年シリーズ』」のNFTが販売されました。

現在は、アイドル「UNDER BEASTY」のトレーディングカードNFT、「TIGER & BUNNY 2」のキャラクターを使用したNFT、Jリーグ公認NFTコレクション「J.LEAGUE NFT COLLECTION PLAYERS ANTHEM」、「日刊スポーツ」の競馬NFTも販売されています。

今後、加山雄三の名曲「お嫁においで」のデモ音源を使用したNFT、「株式会社BEAMS」とのコラボコンテンツ、「コートギアス 反逆のルルーシュ」の監督の谷口悟朗氏が手掛けるオリジナルアニメ企画「エスタブライフ」に関する作品の販売が発表されています。

パックとモーメント

Rakuten NFTでは、各ショップではパック、楽天NFT個人間マーケットプレイスではユーザが出品しているモーメントを購入することができます。
Rakuten NFT Moment
「モーメント」は動画や画像をNFTにしたコンテンツのことです。また、シリアル番号毎の所有権を表すデジタルデータを「トークン」と呼び、トークンの持ち主が動画や画像の閲覧、売却を行うことができます。楽天NFTで購入したモーメントは個人間マーケットプレイスで出品することができます。価格も自由に設定することができます。(販売手数料14%が発生します)

パックは、各ショップで「1つもしくは複数のモーメント」をまとめた商品のことです。購入したパックは「パックを開封する」リンクが有効になると始めて開封でき、中のモーメントを確認できます。パック開封後に、トークンの移転が可能になります。

Players Anthemの例

Jleague具体例として、Jリーグ公認NFTコレクション「J.LEAGUE NFT COLLECTION PLAYERS ANTHEM」を見てみましょう。こちらのパックには、1試合ごとにPlayers Anthemが独自に切り取った選手たちの芸術的なスーパープレーが3点入っています。楽天チケットのサービスを利用した抽選方式の販売を介して、お気に入りのチームや選手の”アートなプレー”を手に入れることができます。

⑤まとめ

楽天グループはサービスの多様さとポイント制度でその経済圏をますます拡大しています。Rakuten NFTではクレジットカードや楽天ポイントでの決済が可能で、ブロックチェーンやデジタルウォレットに馴染みのない方でも気軽に使用できる環境が整っています。

このように、Rakuten NFTはECサイトで商品を購入する感覚でNFTを購入できる新しいNFTマーケットとなっており、楽天会員であれば誰でも利用が可能なため、これを機にNFTの世界に触れてみてはいかがでしょうか。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12