ハイリスク・ハイリターン投資の種類と始め方、主なサービスは?

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ハイリスク・ハイリターンの投資は、大きな利益を狙える反面、損失が拡大するリスクも高くなるため、投資中級者以上向けの運用方法となっています。ただし、初心者の方であっても、余剰資金で行うなど運用方法次第でリスクを抑えた投資も可能になるので、事前にその特徴をしっかりと押さえることが大切です。

この記事では、具体的なハイリスク・ハイリターン投資の種類、始め方、注意したいポイントを詳しく解説します。投資初心者の方やハイリスク・ハイリターン投資のメリット・デメリットをよく知りたい方は、参考にしてみてください。

※本記事は2022年8月27日時点の情報をもとに執筆されています。最新の情報については、ご自身でもよくお調べの上、ご利用ください。

目次

  1. ハイリスク・ハイリターン投資とは
  2. ハイリスク・ハイリターン投資の種類、始め方
    2-1.信用取引
    2-2.先物取引
    2-3.オプション取引
    2-4.FX(外国為替証拠金取引)
    2-5.暗号資産
  3. ハイリスク・ハイリターン投資で注意したいポイント
  4. まとめ

1 ハイリスク・ハイリターン投資とは

ハイリスク・ハイリターン投資は、レバレッジ取引や値動きの激しい金融商品に投資を行い、大きな利益を狙う運用方法です。少額資金から大きな利益が狙えるため、例えばレバレッジ取引を活用すると、資金の何倍もの取引を行えるほか、キャピタルゲインにより短期間で利益を生み出すことが可能なので、資金効率を高く運用できるのが特徴です。

このように、ハイリスク・ハイリターン投資は大きな利益を狙える一方、失敗した際の損失も大きくなるため、ギャンブル性の高い投資方法となります。しかし、資産の一部、もしくは失っても困らない程度の余剰資金で、計画的に運用することができれば、値下がり相場のリスク対策などにもなります。

実際、ハイリスク・ハイリターン投資を積極的に行っているヘッジファンドなどは、ポートフォリオの一部にハイリスク・ハイリターンの金融商品を組み入れるなど、バランスを取りながら上手く活用するケースもあります。

そのため、ハイリスク・ハイリターン投資は、資金管理を徹底し、局面をしっかり見定めて取引を行うなど計画性を持って運用できれば、初心者の方でもリスクコントロールを行いながら取引することが可能です。

2 ハイリスク・ハイリターン投資の種類、始め方

ハイリスク・ハイリターン投資の種類は、レバレッジ倍率や運用方法などの違いから様々あります。以下では、代表的なハイリスク・ハイリターンの商品と始め方を確認してみましょう。

2-1 信用取引

信用取引とは、証券会社に一定以上の保証金(担保)を預けることで、取引に必要な現金や株式を借りて行う投資方法です。

信用取引では、証券会社から現金を借りることで、最大3.3倍のレバレッジをかけることができます。例えば、証券会社に預ける保証金が100万円の場合、3.3倍のレバレッジで330万円分の取引が可能になる一方、損失が出た場合、3.3倍のレバレッジが逆向きに働くことになるので、大きな損失に繋がるリスクもあります。

また、信用取引では、証券会社から株式を借りることで「空売り」も可能です。現物取引では株式を購入しないと売却できないため、相場上昇時が収益機会となる一方、信用取引では「売り」から入れるため、後から買い戻すことで相場下落時でも利益を狙える仕組みとなっています。

このように、信用取引は利便性の高いサービスとなっていますが、相場の予想が外れ、委託保証金率が定められている水準以下になった場合、証拠金の追加支払いが必要になるリスクもあります。

信用取引の始め方

信用取引は、証券会社に総合証券取引口座を開設した上で、信用取引口座を開設すると始められます。信用取引口座の開設には審査があるため、場合によっては数日かかることもあります。審査を終え、信用取引口座の開設が完了したら、保証金振替を行います。

最低委託保証金(証券会社に差し入れる保証金最低額)は、原則30万円以上となります。最低委託保証金を下回っている場合、取引することができないので注意が必要です。

2-2 先物取引

先物取引は、「〇か月後」など将来の売買について、現時点で価格・数量を約束する取引を指します。対象となる商品は、株価指数やコモディティなどに連動するように設計されており、取引所を通じて行われます。

先物取引では、証券会社に委託証拠金を預けることで、10~20倍程度のレバレッジをかけられるため、少額から大きな利益を狙うことが可能です。例えば、15倍のレバレッジをかけられる商品の場合、10万円の証拠金なら150万円、100万円の証拠金なら1,500万円分の取引を行えるようになります。

一方、相場が予想に反する動きとなった場合、レバレッジも逆向きに働くため、大きな損失につながり、追証(指定された期限までに追加の証拠金を差し入れること)となるリスクもあります。そのため、先物取引では、リスク管理を徹底した上で取引を行う必要があります。

また、先物取引は、値上がりで利益を狙う「ロング」だけではなく、値下がりで利益を狙う「ショート」のポジションを建てることもできるので、相場上昇時・相場下落時にかかわらず利益を狙うことが可能です。

先物取引の始め方

先物取引を始めるためには、証券会社に総合証券取引口座を開設した上で、先物・オプション取引口座を開設する必要があります。ほとんどの証券会社では、総合証券取引口座を作る際に、先物・オプション取引口座も同時に申込みできます。

なお、先物・オプション取引口座の開設では審査があります。審査には数日かかることもあり、場合によっては電話による質疑応答が必要になるケースもあります。

審査を終えて先物・オプション取引口座の開設が完了したら、証拠金を入金します。先物取引の必要証拠金は、証券会社や商品によって異なるため、事前に確認しておくことが大切です。

2-3 オプション取引

オプション取引とは、将来、一定期日あるいは一定期間内に、特定の価格で買うまたは売ることができる権利の売買を指します。対象となるのは株式、為替、債券等になります。

オプション取引において、買付ける権利を「コール・オプション」、売付ける権利を「プットオプション」といいます。オプションの買い手は、オプション料を支払って権利を買うことになりますが、その権利を行使するか放棄するかは自由です。

また、オプションの売り手は、権利を行使するか、放棄するかの選択の自由を買い手に与える代償として、買い手からオプション料をもらう仕組みになっています。

例えば、日本の代表的な株価指数である日経平均株価が今後上昇すると予想する場合、オプション料を支払って、将来ある金額で日経平均株価を買う権利(コール・オプション)を買うとします。日経平均株価が予想通りに上昇した場合、権利行使すれば、実際の価格よりも安い価格で購入することができます。

一方、オプションの売り手は、買い手が権利行使すれば応じなければならないため、損失が生じることになります。しかし、買い手の予想に反して、日経平均株価が下落すれば、買い手は権利を放棄することになるため、売り手はオプション料の金額が利益になります。

オプション取引は、レバレッジをかけられるほか、原資産以上に価格が変動するため、ハイリスク・ハイリターンな投資の一つとなっています。

オプション取引の始め方

オプション取引は、先物・オプション取引口座から取引が可能となっており、口座開設申込みの方法は先物取引の場合と基本的に同じで、総合証券取引口座を作る際、先物・オプション取引口座を同時に申込みます。

口座開設では審査があるほか、場合によっては電話による口頭審査を求められることもあります。先物・オプション取引口座の開設が完了したら、証拠金を入金します。先物取引の必要証拠金は、証券会社や商品によって異なります。

2-4 FX(外国為替証拠金取引)

FX(外国為替証拠金取引)とは、証券会社に証拠金を預け、差金決済による通貨の売買を行う取引を指します。

FXでは、証券会社に証拠金を入金することで、最大25倍のレバレッジをかけることができます。例えば、10万円の証拠金であれば250万円、100万円の証拠金であれば2,500万円分の取引が可能になります。元手が少なくても大きな利益を狙うことが可能になる反面、その分リスクも伴うため、ハイリスク・ハイリターン投資に分類されています。

FXのもう一つの特徴は、原則、平日24時間いつでも取引可能な点です。株式投資は、平日午前9時~11時半(前場)、12時半~15時(後場)までの5時間であるのに対し、FXは世界中のどこかの市場が開いている限り、取引に参加することができます。

このように、FXは始めるハードルも低く、利便性に長けた商品ですが、レバレッジ上限が他の金融商品よりも高いため、リスク管理の徹底も必要になります。万が一、相場の予想が外れ、証拠金維持率が定められている水準以下になれば追証が発生し、元本以上の損失となるリスクもあります。

FXの始め方

FXを始めるためには、証券会社にFX取引口座を開設する必要があります。口座開設を進める上で、申込み手続きと本人確認書類の提出を行い、審査を通過したら、FXに必要なID、パスワードが発行されます。口座開設を終えれば、FX取引口座に証拠金を入金し、取引を開始できます。

2-5 暗号資産

暗号資産とは、システムに暗号を用いたデジタル通貨を指し、英語では「Crypto Currency」と呼ばれています。暗号資産の代表的な種類には、世界初の暗号資産であるビットコインなどがあります。暗号資産は、暗号資産取引所(暗号資産交換所)から購入することができ、その手軽さから個人投資家や機関投資家の参入も増えてきています。

一方、暗号資産は価格変動も大きく、過去に何度か大暴落を経験しており、最悪の場合、保有している暗号資産の価値が限りなく0に近くなるリスクもあります。また、セキュリティ面でも取引所やウォレット(暗号資産を保管する電子財布)がハッキングされて通貨が盗まれる事件が発生したこともあるため、保管先の選定・管理は慎重に行う必要があります。

暗号資産の収益は基本的に雑所得に分類されるため、所得を得た際は総合課税として最大55%の税金が原則かかります。

暗号資産投資の始め方

暗号資産への投資を始めるためには、暗号資産取引所に口座を開設する必要があります。口座開設申込みを行うに際して、本人確認書類の提出が必要になるので、事前に用意しておきましょう。口座開設が完了した後、日本円を入金すれば実際に取引を始めることができます。

3 ハイリスク・ハイリターン投資で注意したいポイント

ハイリスク・ハイリターン投資は、上手く運用できれば高収益を狙うことが可能ですが、失敗した際のダメージも大きくなるので注意が必要です。特に初心者の方は失っても困らない程度の資金で始めることがポイントで、資産の全てをつぎ込むのではなく、心に十分なゆとりを持てる程度の金額で行うのが無難な方法です。

また、損切りの設定を忘れないことも重要です。損切りとは、すでに損失の発生している株式や投資信託を売却し、これ以上損失を拡大させない行為です。「○○円以上の損失が発生したら、今後上昇する見込みがあっても売却する」という自分なりのラインを決めておくと、投資初心者の方でも損切りをしやすくなります。

特にレバレッジ取引では、価格が大きく変動した際に大損するリスクがあるため、最悪の事態を防ぐため損切りラインを決めておきましょう。

このほか、ハイリスク・ハイリターンの商品を長期で保有しないことも大切です。通常、ローリスク・ローリターンの商品は長期保有向けで、ハイリスク・ハイリターンの商品は短期保有向けです。特にレバレッジ取引の可能な金融商品は、長期保有によりリスクが拡大する可能性が高いため、ポジションの解消や決済をずるずると先延ばしにしないことも重要になります。

まとめ

ハイリスク・ハイリターン投資は、予想通りに価格が動けば短期間で利益を生み出しやすく、例えば、先物取引やFX、暗号資産のような価格変動の大きい金融商品は、リスク管理次第で資金効率を高められるメリットがあります。

一方、ハイリスク・ハイリターン投資は、商品次第では元本を下回る大きな損失を出す可能性もあるため、特に初心者の方はリスクをしっかりと把握した上で活用を検討してみてください。

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HEDGE GUIDE 編集部 株式投資チーム

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