コインチェックの法人向けサービス「Coincheck for Business」について解説

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今回は、Coincheck for Businessについて、大手仮想通貨取引所トレーダーとしての勤務経験を持ち現在では仮想通貨コンテンツの提供事業を執り行う中島 翔 氏(Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12)に解説していただきました。

目次

  1. Coincheckとは
    1-1.Coincheckの概要
    1-2.Coincheckの提供サービス
  2. Coincheck for Businessとは
    2-1.Coincheck for Businessの概要
    2-2.Coincheck for Business提供の背景
  3. Coincheck for Businessの取り扱いサービス
    3-1.仮想通貨取引
    3-2.大口OTC取引
    3-3.Coincheck NFT
    3-4.メタバース都市「Oasis TOKYO • KYOTO • MARS」
  4. Coincheck for Businessの特徴
    4-1.Web3.0やメタバースに関する最新情報を提供
    4-2.トレーサビリティの構築手順が公開されている
    4-3.他社に先駆けた新しいサービスを提供
    4-4.安心且つ安全な取引環境の提供
  5. Coincheck for Businessの実際の利用ケース
    5-1.NFTマーケットプレイス
    5-2.Web3.0、メタバース事業
    5-3.マイニング事業
    5-4.STO報酬
  6. まとめ

2023年1月10日、国内の大手暗号資産(仮想通貨)取引所として知られるCoincheck(コインチェック)が、法人向けのサービスとして新たに「Coincheck for Business」の提供をスタートしたことを明らかにしました。今回発表されたサービスは、専用窓口を介して仮想通貨やNFTの売買、一般的な会計処理のほか、「IEO(Initial Exchange Offering)」の検討などさまざまな相談を行うことができるサービスとなっています。

現在すでに、Coincheck for Businessのサービスサイトも公開されているということで、注目が集まっています。そこで今回は、Coincheckから新たにローンチされたCoincheck for Businessについて、そのサービスの概要や特徴、実際の利用ケースなどを詳しく解説していきます。

①Coincheckとは

1-1.Coincheckの概要

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「Coincheck(コインチェック)」とは、2012年8月に設立され、2014年8月から仮想通貨交換サービスをスタートした国内企業です。Coincheckは金融庁によって「暗号資産交換業者」として登録されている安心の取引所となっており、取り扱い通貨の種類の豊富さや各種手数料の安さなどから、多くの投資家に愛用されています。また、スマートフォン向けの取引アプリも好評で、2019年から2021年における国内の仮想通貨取引アプリのダウンロードランキングでは堂々の一位を獲得するなど、国内において不動の人気を誇っています。

このように、Coincheckは日本国内を代表する取引所の一つとして、仮想通貨に関連した多岐にわたるサービスの展開を行っています。

1-2.Coincheckの提供サービス

Coincheckでは、基本となる仮想通貨の売買サービスのほかにも、下記に挙げるような利便性の高いさまざまなサービスを取り扱っています。

・販売所
仮想通貨の売買ができるサービスです。コインチェックでは下記の通り、複数の仮想通貨を取り扱っています。

    27銘柄:ビットコイン、イーサリアム、リップル、ライトコイン、ビットコインキャッシュ、ベーシックアテンショントークン、ステラルーメン、モナコイン、ネム、クアンタム、イーサリアムクラシック、エンジンコイン、リスク、IOST、SAND、ポルカドット、チリーズ、チェーンリンク、メイカー、エイプコイン、アクシーインフィニティ、イミューダブル、ポリゴン、ラップドビットコイン、アバランチ、シバイヌ、フィナンシェトークン

・Coincheckつみたて
毎日または毎月、決まった金額の仮想通貨を自動で積み立てることができるサービスです。一日あたり約300円というかなりの低額からスタートできるため、初心者でも安心して積み立てを続けていくことができます。

・Coincheck IEO
IEOとは「Initial Exchange Offering」の頭文字を取った言葉で、近年注目を集める資金調達方法の一つとなっています。Coincheck IEOでは、企業またはプロジェクトがトークン発行を通した資金調達を実施するためのサポートを行っています。

・Coincheck NFT
国内初となる、仮想通貨交換業者によって運営されているマーケットプレイスです。Coincheck NFTでは、ユーザー同士でNFTや仮想通貨の交換取引を行うことが可能です。

・Coincheckでんき
電気料金の支払いによって、「ビットコイン(BTC)」を獲得できたり、利用できたりするサービスです。

・Coincheckガス
Coincheckでんきと同様に、ガス料金の支払いによって、「ビットコイン(BTC)」を獲得できたり、利用できたりするサービスです。

・Coincheck貸暗号資産
ユーザーの保有している仮想通貨について、ユーザーとCoincheckが消費貸借契約を締結することによって、一定期間Coincheckがその資産を預かり、契約期間満了後に預かった仮想通貨と同量または同等の仮想通貨をお返却するとともに、一定の料率を用いて計算した利用料をその仮想通貨で支払うというサービスです。

・ステーキングサービス(β版)
ステーキングとは、対象となっている仮想通貨を使わずにウォレットに入れておき、ブロックチェーンのオペレーションに参加することによってインカムゲインを得ることができる仕組みを指します。なお、Coincheckでは現在、「β版」というかたちでステーキングサービスの提供を行っています。

このように、Coincheckでは仮想通貨に関連したさまざまなサービスが展開されており、今回発表された「Coincheck for Business」が加わることによって、さらに充実したサービス内容になることが期待されています。

②Coincheck for Businessとは

2-1.Coincheck for Businessの概要

Coincheck for Business
「Coincheck for Business」とは、2023年1月10日に提供がスタートされたCoincheckの新たな法人向けサービスのことを指します。Coincheck for Businessでは、法人のクライアント専用の窓口を用意し、それぞれの担当者が仮想通貨やNFTの購入および売却、また一般的な会計処理やIEOの検討などといった、法人のクライアントからの多岐にわたる相談に合わせた提案を行っていくということです。また、近日中に法人のクライアントを対象とした税務や会計、内部統制などについてのオンラインセミナーの実施も予定しているということで、開催の詳細は決定次第、随時案内されるということです。

このほか、すでにCoincheck for Businessのサービスサイトも公開されているということで、大手取引所の新たな取り組みに業界からは大きな注目が集まっています。

2-2.Coincheck for Business提供の背景

Coincheckでは、2014年8月に提供がスタートされた仮想通貨取引サービス「Coincheck」のほか、前項でも紹介したNFTマーケットプレイス「Coincheck NFT」やIEO事業、また最近ではメタバース事業の展開も行っています。

中でもメタバース事業は中・長期でのマーケット拡大が予想されており、メディアやエンターテインメント分野のみならず、小売りや教育などをはじめとする多岐にわたる領域への導入が大いに期待されています。実際、すでに日本国内においてもさまざまな企業やプロジェクトがメタバースなどの「Web3.0事業」への参入を表明しており、業界はさらなる盛り上がりを見せています。

そんな中、ブロックチェーン分野に精通したCoincheckには、仮想通貨やNFT、そしてメタバースに関連する多くの相談が寄せられているということで、このような状況を受けて、今回Coincheckでは新たにCoincheck for Businessのサービスをリリースし、法人のクライアントからの問い合わせに対してより適切なサポートを提供していくということです。

なお、Coincheck for Businessでは、Coincheckに在籍する仮想通貨やNFT、IEO、メタバース事業などの分野の担当者と、Coincheck for Businessの担当者がシームレスに連携することで、充実したサポート体制を構築していくとしています。

③Coincheck for Businessの取り扱いサービス

3-1.仮想通貨取引

Coincheck for Businessでは仮想通貨取引サービスの提供を行っており、メンテナンス時間を除いて24時間365日いつでも取引が可能となっています。また、国内だけでなく海外の取引所に資産を送金することも可能なほか、「MetaMask(メタマスク)」などといった仮想通貨ウォレットへの送金にも対応しているなど、利便性の高いサービスとなっています。

3-2.大口OTC取引

「OTC取引」とは売り手と買い手が一対一で行う取引のことを指します。OTC取引は別名「店頭取引」や「相対取引」とも呼ばれており、実際に売買を行う当事者同士が第三者を介さずに行う取引を意味しています。Coincheck for Businessはそんな大口OTC取引に対応しており、優遇レートでの大口売買が可能となっています。

また、2022年8月にCoincheckが実施した、金融庁暗号資産交換業者登録者を対象とした調査によると、Coincheckは国内最大規模の取引額を誇っているだけでなく、国内最大となる主要4通貨をサポートしているなど、クライアントにとって使い勝手のよいサービスを提供しています。

3-3.Coincheck NFT

Coincheck for Businessでは前述した「Coincheck NFT」の取り扱いも行っており、売買の際のネットワーク手数料が不要なほか、17種類という豊富な通貨を用いた取引が可能となっています。

またこのほかにも、秘密キーの管理が不要なNFTウォレットを採用しているため、クライアントは比較的気軽に利用することができます。

3-4.メタバース都市「Oasis TOKYO • KYOTO • MARS」

Coincheckではこれまでに「Oasis TOKYO」、「Oasis KYOTO」、「Oasis MARS」という三つのメタバース都市の構築を行ってきました。

Oasis TOKYOは「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」上で開発および展開されているプロジェクトとなっており、The SandboxのユーザーはOasis TOKYOのメタバース空間に建設されている美術館や商店街のほか、ライブハウスやスタジアムといった施設を利用することが可能です。また、多岐にわたる分野のアーティストとコミュニケーションを取って楽しむこともできるようになっています。

一方、Oasis KYOTOは「Decentraland(ディセントラランド)」上で開発および展開されているプロジェクトで、メタバース空間に音楽やファッション、アートなどを中心としたさまざまなイベント施設が設置されています。また、あらゆる分野のアーティストとファンが交流する場として、また企業のコミュニティ育成の場としても活用されています。

そして、Oasis MARSは「Otherside(アザーサイド)」上に構築されているプロジェクトとなっており、さまざまなアーティストやクリエイターとのコラボレーションを行いながら、プロジェクトが進められています。

今回、Coincheck for BusinessではこれらのCoincheckが主導するメタバース都市開発プロジェクトに関して、NFTのコミュニティ拠点を提供するとしており、三つのプラットフォームから希望のものを選択できるということです。

④Coincheck for Businessの特徴

4-1.仮想通貨取引に関する総合的なサポート

Coincheck for Businessでは口座の開設から売買および送金、また会計処理アドバイスに至るまで、サポートチームがクライアントのニーズに合わせた徹底的なサポートを行っています。そのため、クリプト業界についてあまり詳しくない企業であっても、気軽に相談することができるようになっています。

4-2.Web3.0やメタバースに関する最新情報を提供

Coincheck for Businessではそれぞれのクライアントのニーズに合わせて、社内担当者からWeb3.0やメタバースに関連する最新情報の提供を行っています。またこのほか、担当者とのミーティングなどもアレンジしているということで、複雑で分かりにくいとされているWeb3.0業界の情報を効率よく獲得することが可能です。

4-3.他社に先駆けた新しいサービスを提供

Coincheckは仮想通貨取引所として日本国内初となるNFTマーケットプレイスやIEOサービスを展開するなど、他社に先駆けた新しいサービスをいち早く提供してきた実績があります。そのため、クライアントのプロジェクトに関して、適切且つスピーディなサポートが可能です。

4-4.安心且つ安全な取引環境の提供

Coincheck for Businessでは、顧客資産の分別管理や顧客仮想通貨のコールドウォレットを用いた管理など、取引の安全性やセキュリティ面の徹底的な強化を図っており、コンプライアンスを順守したプロジェクト展開を行っています。そのため、クライアントは安心且つ安全な環境のもとで取引を行うことが可能です。

⑤Coincheck for Businessの実際の利用ケース

5-1.NFTマーケットプレイス

クライアントはCoincheck for Businessを利用することで、NFTマーケットプレイスについての運用ノウハウを獲得することが可能です。

具体的には、NFTの販売代金を円に交換したい、また取引手数料である「ガス代」の支払いのため、仮想通貨を購入したい、保有している仮想通貨を、簡単且つ安全な方法で管理したいなどといった要望について、サポートを受けることができます。

5-2.Web3.0、メタバース事業

前述の通り、Coincheck for BusinessはWeb3.0およびメタバース事業にも精通しており、受け取った仮想通貨を円に交換したい、支払いのための仮想通貨を購入したい、投資案件に利用するために大量の仮想通貨を調達したいなどといった要望について、サポートを受けることができます。

5-3.マイニング事業

Coincheck for Businessでは「マイニング」に関連する問題への対応も行っており、クライアントは受け取りのためのウォレットを用意したい、マイニング報酬を円に交換したいなどといった要望について、サポートを受けることができます。

5-4.STO報酬

「STO(Security Token Offering)」とは、資金調達を希望するプロジェクトが「セキュリティトークン」と言う独自のトークンを発行し、投資家に販売することによって資金を集めることを指します。

Coincheck for BusinessではこのSTO報酬に関して、投資家に仮想通貨を付与する際、振替サービスの利用によって手間とコストを削減したい、仮想通貨の口座開設を手伝ってほしいなどといった要望について、サポートを受けることができます。

⑥まとめ

Coincheck for Businessでは、ブロックチェーン業界への参入を考えている企業に寄り添い、Coincheckが培ってきた豊富なノウハウをもとに、それぞれのニーズにマッチした徹底的なサポートを行っていくということです。すでにサービスサイトが公開されているほか、近日中には法人のクライアントを対象とした税務や会計、内部統制などについてのオンラインセミナーの実施も予定しているということで、その動向に引き続き注目していきたいと思います。