ビットコインが急落した時の対応策とは?その原因の探り方を仮想通貨取引所の元トレーダーが徹底解説

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筆者は仮想通貨取引所でトレーダーを行っていました。最近でも個人投資家として仮想通貨は毎日欠かさずチェックしており日々のニュースを追うだけでも大変なマーケットです。今日は、先日ビットコインが大幅に急落した理由について解説したいと思います。

ビットコインは海外仮想通貨取引所では証拠金として充当するケースが多く、値動きに関しては先物でヘッジするしか投資家には方法がありません。先物でヘッジすると先物のヘッジコストもかかるため、大多数の小口の投資家はヘッジせずに利用していることが多いでしょう。BTC建てで投資をするとBTCは増えるものの、円に転換した時に円換算で大幅に減少することになってしまうため、初心者の方の中にはショックを受けた方も多いのではないでしょうか。

ではなぜ今回の急落が起きたのか、そしてどのように対処すべきなのかをご紹介したいと思います。

目次

  1. ビットコインの価格下落要因①:binance上海事務所の調査
  2. ビットコインの価格下落要因②:中国の金融監督管理委員会と中国人民銀行による規制強化
  3. ニュースが出た時に考えるべき大事なポイント
  4. まとめ

まず、ビットコインの価格がどのくらい下落したのかチャートでご覧頂きたいと思います。

このチャートからご覧頂くとわかる通り、一日程度で10万以上の下落を見せており、ここ最近ボラティリティがなかった仮想通貨相場に大きな影響をもたらしたと言えます。

ビットコインの価格下落要因①:binance上海事務所の調査


最初の大幅な下落の要因は「binanceの上海事務所が警察から立入捜査の対象となった」という報道です。binanceの影響力というのはもう世界が共通認識しているほどですが、やはりbinance絡みのネガティブなニュースは相場に影響するということを思い知った動きとなりました。

この報道後、binanceのCEOは「上海事務所という明確な事務所は存在していない」と述べて報道を否定しています。

ビットコインの価格下落要因②:中国の金融監督管理委員会と中国人民銀行による規制強化


binanceの騒動があった同日、中国の金融監督管理委員会と中国の中央銀行である中国人民銀行が仮想通貨を取り締まる声明を出しています。

今回の声明内容を具体的に見ていくと、仮想通貨関連事業の業務を行っている企業に対して立入捜査を行うというもので、この捜査を11月22日までに終えることを公表しました。その対象企業の一つがbinanceでもありました。

捜査の対象となっている商品は仮想通貨交換の取引、トークンセール、ICO(Initial Coin Offering)に関係する業務や事業です。この仮想通貨事業に対しての厳しい見方をマーケットはネガティブな見方と捉えて相場に影響したと言えるでしょう。

では、なぜこうした動きに繋がったのでしょうか?これは先月の10月24日、中国国家主席の習近平がブロックチェーンを中国の国家プロジェクトとして動かし、ブロックチェーン大国として推進することを宣言したことに遡ります。この宣言により、中国のブロックチェーン企業の株価は軒並み大幅高となり、ビットコインもこのニュースにより100万円以上まで価格が上昇する動きとなっています。

チャイナマネーが押し寄せるとなると何十兆円もの単位でお金が動くと考えるのが自然です。マーケットはこうした根拠からこの報道に好感する動きを見せました。中国ではデジタル人民元ような法定通貨のデジタルマネーを作る構想もあり、仮想通貨も含めブロックチェーンを利用したビジネスに一気に焦点が移ったのです。

そのような背景がある中で、今回のような仮想通貨の規制を強化するような声明が出ると、マイナスの反動から価格に影響、今回のような動きに広がりました。このように事前のニュース等から値幅が変わることも投資家としてはきちんと把握しておくことが必要です。

では次に、投資家は相場に対する考え方としてどのようなことを注意すべきなのか、今回の事象を踏まえながら解説したいと思います。

ニュースが出た時に考えるべき大事なポイント

まずこのニュースがリリースされる前に相場のトレンドを把握することが大事です。下のチャートをご覧ください。

このチャートご覧頂くと、既に下落トレンドが11月以前からスタートしていることが把握できます。特に最近では、CME(シカゴマーカンタイル取引所)の先物ポジション動向がネットショート(ロングとショート差引でショートが多いということを示している)が急増しており、機関投資家も個人投資家も方向感が下落方向へ傾いていることを把握しておかないといけません。

下記はTHE BLOCKの記事で記載されているヘッジファンドのビットコイン先物のポジションです。


【引用元】THE BLOCK –Hedge funds were net short CME bitcoin futures going into this downturn, CFTC report shows

このように見ると、元々ネットショートだったポジションだったものの、10月以降にそのショート勢の積み上げがとても大きいことが見て取れます。ビットコインの価格が下落を始めた時とこのポジションの動きは一致することが多く、マーケットと逆相関で動きやすいと言われています。

つまり、このようにマーケットが下落トレンドを継続させているなかで相場にネガティブなニュースが出ると、投資家は売りサイドに傾けやすいことから下落サイドの値幅が自然と大きくなりやすくなります。

逆に、このタイミングでポジティブなニュースが出た場合に注意すべき点を記載致します。この先物ポジションがショートに傾いているということは、言い換えるとどこかで買い戻す必要があるということです。

先物ポジションを買い戻すというのは、下落したので一旦利益確定を行うということです。この圧力が相当量積み上がっていることをこのチャートは示していることから、反発を始めた時の勢いは先物ポジションが傾けば傾くほどとても強いということが理解できるでしょう。

まとめ

相場を予想する上でテクニカル分析以外で重要なポイントは「相場の傾きをしっかり把握しておくこと」です。個人的には、ここまでマーケットが下落サイドにポジションを保有している場合、このショートポジションを清算しようとする短期的な大口が現れてくることが多い印象を持っています。そのため、急激な上昇が発生することが多いです。

過去のポジションの積み上がり方を見て、あまりにも片側に傾き過ぎている場合はトレンドとは反対にトレードするタイミングということになります。こうしたポイントを頭に入れながらマーケットを整理するといいでしょう。

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中島 翔

一般社団法人カーボンニュートラル機構理事。学生時代にFX、先物、オプショントレーディングを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。その後は金融業界のマーケット部門業務を目指し、2年間で証券アナリスト資格を取得。あおぞら銀行では、MBS(Morgage Backed Securites)投資業務及び外貨のマネーマネジメント業務に従事。さらに、三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワードトレーディング及び、クレジットトレーディングに従事。金融業界に精通して幅広い知識を持つ。また一般社団法人カーボンニュートラル機構理事を務め、カーボンニュートラル関連のコンサルティングを行う。証券アナリスト資格保有 。Twitter : @sweetstrader3 / Instagram : @fukuokasho12