クレジットカード決済大手Visaが、人気NFTコレクション「CryptoPunks」の一つを購入していたことを8月23日に明らかにした。
購入したのは「CryptoPunks #7610」。購入日は18日となっており、49.5ETH(当時約15万ドル)を費やしている。Visaが直接ETHを使ってNFTを購入したわけではなく、カストディ企業Anchorageが購入を代行し、そのまま同社が保管しているという。
CryptoPunksは、Larva Labsが手がける人気NFTコレクションだ。発行上限が1万個に設定されている。アルゴリズムによって生成された24四方のピクセルアート作品となっており、1万個それぞれが異なるデザインとなっていることがブロックチェーンによって保証されている点が特徴だ。
Visaは発表の中で、「NFTは画像、ビデオ、テキストなどのデジタルデータの所有権を証明する手段です。インターネットの台頭以来、ほとんどのファイルは無限にコピー、貼り付け、共有できるため、デジタルデータの所有権を主張する方法はありませんでした。NFTは、デジタルデータの出典、信頼性、所有権を証明するための革新的な仕組みです。」との見解を示している。
また、人々がなぜNFTを欲しがるのかについては、コレクションの作成と保持は人間の持つ習性だとした上で、Visaが購入を決めた理由を次のように述べた。
「何よりも我々は市場で起きていることを学びたかったのです。NFTは、小売、ソーシャルメディア、エンタメ、コマースの未来における重要な要素になると考えています。そして、そのムーブメントを理解するには直接市場に参加する必要がありました。」
これは、Visaが今後NFT市場に本格参入する計画があることを示唆している。発表の最後では、様々なパートナーと協力することでいくつかの新しい取り組みを提供することを予定しているとした。
今回のVisaの発表を受けて、CryptoPunks全体の需要が急増している。300個以上のCryptoPunksアイテムが新たに売買され、約100億円に近い額が流通したとされている。
【参照記事】NFTs mark a new chapter for digital commerce
株式会社techtec リサーチチーム
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