ゼロ知識証明(Zero Knowledge Proof)を用いたイーサリアムのスケーリングソリューションStarkNetが、2月21日に本格稼働しDApps開発に対応したことを公表した。
イーサリアムのスケーリング問題については、2017年頃から様々なソリューションが講じられており、その例としてブロック容量の拡大やブロック生成間隔の短縮があげられる。昨今は、ブロックチェーンの外部(オフチェーン)で計算処理をする方法が定着し始めている。
StarkNetは、ゼロ知識証明を利用したイーサリアムのスケーリングソリューション「ZK-Rollup」に分類される仕組みの一つだ。ZK-Rollupとは、従来から存在する暗号理論の一つであるゼロ知識証明という証明プロトコルを応用し、オフチェーンで処理した情報をブロックチェーンに復元する仕組みだ。少ないながらすでに実用化されている例もあり、大きく注目を集めている。
StarkNetは昨年11月にアルファ版をメインネットにリリースし、すでに簡単な計算処理に限りメインネットと同様の状態で提供されていた。DAppsの開発ができるようになるには数年かかると考えられていたが、予想に反し今回のタイミングで実装されている。
StarkNetは、イスラエルを拠点とするブロックチェーン企業StarkWare Industriesによって開発・運営されており、現時点ではネットワークが分散化されていないことを指摘する声があがっていた。StarkWare Industriesによると、今回のアップデートは完全な状態とは程遠く、今後のステップで課題を解決していくとのことだ。次のステップでは、指摘されてきた分散性に関する課題解決に取り組むとしている。
StarkWare Industriesは、昨年11月にシリーズCラウンドにて5,000万ドルの大型資金調達を達成している。この資金調達は、Paradigm Capitalが主導し、Sequoia、Founders Fund、Pantera、Three Arrows、Alameda Researchなどが参加した。
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