三井住友DSアセットマネジメント株式会社は12月18日、マーケットレポート「今年を振り返るキーワード1『ESG投資』」を発行した。2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、新たな生活様式が求められるなか、環境(E)、社会(S)、企業統治(G)の課題に積極的に取り組む企業に資金を投じるESG投資が改めて注目された。環境や社会に配慮しながら持続的成長が期待できるESG投資は、世界で投資額が一段と拡大している。同社は「日本でも個人向けの投資信託が数多く設定されるなど、ESG投資が普及してきた」と振り返りながら、21年の拡大傾向が続くと予想している。
ESG投資は環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)といった非財務面の要素も考慮した投資。環境や社会に配慮した経営を行い、企業統治に優れた持続的成長が期待できる企業を選別することで、潜在的なリスクを排除し、長期的な収益確保を目指す。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、新たな生活様式が求められる中、ESG投資には追い風となった。脱炭素に向けた動きといった環境面だけでなく、働き方や雇用維持といった社会面に及ぼす効果も関心を集め、ESGに優れた企業は社会の発展に貢献し、将来も持続的に成長するという考え方を普及させた。ESG投資は「今や世界の資産運用の主要テーマ」と同社は言う。
米国の金融商品の調査会社EPFRグローバルによると、世界のESG株式ファンドへの資金フローは2020年に資金流入が加速しており、17年末からの累計額は12月9日時点で約2400億ドルに上る。日本株式を対象としたESG株式ファンドへの資金流入額も伸びており、同累計で約36億ドルとなった。ESG関連の投資信託が数多く設定されるなど、日本でもESG投資は機関投資家だけでなく、個人にも広がっている。
同社は、21年もESG投資の拡大傾向は続くと見る。拡大を後押しするのは、米国で環境問題を重視するバイデン新大統領が誕生することが確実になったこと、欧州を中心とした景気回復を環境重視で進める「グリーン・リカバリー」の動き、在宅勤務の推進などの働き方改革など。また、株式市場でも注目されることで、菅首相による「2050年の温暖化ガス排出実質ゼロ」宣言も追い風となり、「ESG投資」はさらに拡大しそうだ。
HEDGE GUIDE編集部 ESG・インパクト投資チーム
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