米証券取引委員会(SEC)が、分散型取引所(DEX)Uniswapの開発企業Uniswap Labsを調査していることが9月3日に明らかとなった。米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じている。
調査対象となっているのは、投資家がUniswapでどのような取引を行なっているのか、またUniswap Labsがどのようなマーケティングを行なっているのかだという。
Uniswap Labsの規制担当は、今回の調査に対して全面協力する姿勢を見せているという。なお、調査は初期段階にあるといい、不法行為などによる訴訟にはならないと報じられている。
なお、Uniswapと同じくDEXであるCurveの開発企業Swiss Stakeは、現在までにSECからの調査は行われていないという。CurveにはUniswapよりも多くの資産が供給されており、DEXとしては最大規模となっている。
UniswapやCurve自体はブロックチェーンによって稼働するプロトコルであり、もはや誰にも止めることはできず、規制の対象にはならない。そのため規制対象となるのは、実質的な開発企業やインターフェースとなるサービスだ。
今回のSECによる調査も、Uniswapへではなく開発企業のUniswap Labsが対象となっている。したがって、仮にUniswap Labsが不法行為で提訴されたとしても、その他のUniswap関連プロジェクトには影響は生じない。
SECのGary Gensler委員長は、UniswapのようなDEXをはじめとするDeFiプロジェクトを、SECは規制できる権限を有すると主張している。投資家に対してトークンなどのインセンティブを付与するプロジェクトは、どれだけ分散化していても規制される可能性があるとのことだ。
SECがこれまでに証券に該当しないと明言しているのは、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)のみとなっている。根拠となるのはどれだけプロジェクトが分散しているかだが、上記の通りどれだけ分散化していても、取引に対してインセンティブが組み込まれているものは規制の対象になる可能性があるという。
DeFiプロジェクトの多くは、ユーザーを獲得するために流動性マイニングなどのインセンティブプログラムを提供している。
【参照記事】Regulators Investigate Crypto-Exchange Developer Uniswap Labs – WSJ
株式会社techtec リサーチチーム
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